叶井俊太郎氏,膵臓がんにて他界の報に際して。

叶井俊太郎氏が膵臓がんで他界されたとの報道を知りました。
映画「キラーコンドーム」のブルーレイの拙レビューの一部を再掲します。

24年前(1999年)に映画「キラーコンドーム」を買い付け,
日本で本作を公開した立役者が叶井氏で,
膵臓の末期ガンである事を公表した事で知られている。
「だめんずうぉーかー」の倉田真由美氏の夫でもある。

叶井氏はドイツの発禁死姦映画「ネクロマンティック」を
買い付けた人物でもあるが,
24年前に「ネクロマンティック」の主演のダクタリ・ロレンツが
発禁処分で役者を辞め,日本の三茶(三軒茶屋のコトかしらん)に
移り住んでNOVAの教師となってると知った叶井氏は
「死体とセックスする変態映画の主演俳優緊急来日!」
ってコトにして東スポとかの会見に応じてくれと
ロレンツに3万円握らせた所,
緊張したロレンツが流暢な日本語に取材に応じ
「オマエはもう何も喋るな!」
と叶井氏が蹴りを入れた話が捧腹絶倒である。

そのロレンツがドイツに戻って
叶井氏に「モスラのラジコンを買って送ってくれ」と言うので送った所,
その「モスラのラジコン」が「キラーコンドーム」の最後に出て来る
「巨大キラーコンドーム」として登場し,
「だから俺(叶井氏)は「キラーコンドーム」の製作に
自分が関わってる事を知らずに買い付けたって訳」
と語る件も最高である。
本作のエンドロールで
特殊効果クルーのひとりとしてダクタリ・ロレンツの名を確認出来る。

特典映像には叶井氏が実に楽しそうに24年前を語る姿が収録されている。

24年後(2023年)にHDリマスターのデジタルリマスターの
完全版として日本で再公開されリリースされた本作のブルーレイ。

「やりたい事しかやった事しかない」「我慢なんかした事がない」

と言われる叶井氏の「やりたい事」のひとつとして
本作を観ると今や何とも言えない感情に支配されるのである。

故人に対して甚だ不謹慎かもしれないが
御本人はやりたい事をやるだけやって
この世を去ったので
僕等がいたずらに悲嘆に暮れて
故人がこの世に未練を残すのは
御本人にとっても不本意であると思う。

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