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映画「フランケンシュタイン 死美人の復讐」レビュー「やられたら!何が何でもやり返さねばならないッ!」

20年前に殺人の科で断頭台の露と消えた父を持つハンスは
「人殺しの息子」と村で爪弾きにされ,
同じ様にマッドサイエンティストとして村民から疎まれる
フランケンシュタイン男爵(ピーター・カッシング)の
肉体と魂を分離し,分離した魂を別の肉体に吹き込む
イカレた研究の助手をしていた。

ハンスは酒場の主人の娘クリスティーナ(スーザン・デンバーグ)に
恋情を抱いているが彼女は体に障害を抱え,
顔には痣があり彼の求愛を拒んでいる。

そんなある日,酒場に3人の若い貴族がやって来た。
彼等は傲岸不遜で酒を飲んでも金を払った試しの無いゴロツキで,
今日も障害を抱えるクリスティーナに執拗に絡み,
彼女が誤ってワインをズボンに零したのをいい事に
彼女に乱暴狼藉を働き始める。
偶然その場に居合わせたハンスは乱暴狼藉に激昂し,
3人のゴロツキと乱闘となりナイフで,ひとりの顔に切りつけてしまう。

その夜クリスティーナはハンスの求愛を受け入れる。

どうにも収まらないゴロツキ3人組は深夜酒場に押し入り,
酒を盗み飲みしている現場を主人(クリスティーナの父)に見咎められ
逆に杖で打擲し死に追い遣る。
警察は「人殺しの息子」ハンスを誤認逮捕し,
その後,裁判で殺害事件当時のアリバイを問われた彼は
クリスティーナの名誉を守る為,黙秘し,父親と同じ様に断頭台送りとなる。 彼の死刑現場を目撃した彼女は入水して後を追った。

今やフランケンシュタイン男爵の前に首の無いハンスの遺体と,
溺死したクリスティーナの遺体が揃った。
男爵は,これ幸いとハンスの魂をクリスティーナの肉体に吹き込み,
同時に彼女の顔の痣と障害を治療する。

今ここに復讐に燃える男の魂と男を愛する女の肉体とが融合されたのだ。
何が何でも,あのゴロツキ3人組に報いを受けさせてやる!

あしゅら男爵の様に!
アイゼンボーグの様に!
ガ・キーンの様に!

ハンスの魂を宿したクリスティーナの
ふたりでひとりバロロームな復讐が今ッ!
開始されるのだッ!

ボクちゃんはどうも…
1.フランケンシュタインのロクでもない実験
2.やられたら何が何でもやり返す
という主題にメタメタに弱いらしく…
その両方が揃ってる
本作品に入れ込むのは…ごく自然な流れなのだ。

僕は本作を吹替で観たが,フランケンシュタイン男爵の森山周一郎,
クリスティーナの小原乃梨子, ハンスの広川太一郎の
1970年にTV放映された彼等の若々しい演技を心行くまで堪能出来た。
僕はTVアニメの吹替で彼等と出会ったのは1970年代前半なので,
その頃の演技が最高と思っていたが,
本作の吹替の演技を聴いて考えを改めた。

ゴロツキ3人組のリーダー:アントンの声の出演は井上真樹夫。
無頼を気取っておきながら祟りを恐れて震える小心者を好演している。

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