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映画「サンゲリア2」レビュー「怖い話」。

東南アジアの某国の研究所で軍事用に開発されたデス・ワンなる細菌兵器は,
人体を蝕み死に追い遣るだけではなく,死後人間を悪鬼へと変え,
人肉を喰らう恐るべき内容であったが,研究者から軍の手に渡す際に
何者かに奪われ,銃撃した結果,デス・ワンが漏れ,
奪った相手を悪鬼へと変えた。
軍は悪鬼の遺体を焼却すれば事態は解決すると考えたが,
遺体を焼却した灰にもデス・ワンの影響は及び,灰は煙と共に広がり,
鳥が媒介となって某国全体へと蔓延する
未曾有のバイオハザードを齎すのであった。
軍はデス・ワンの機密を守る為に,感染者の皆殺しを謀り,
民間人は感染者だけでなく軍の脅威にも怯える羽目となるのであった…。

遺体を焼却した灰と煙とで感染が蔓延する設定は
「バタリアン」からの借用であって,本作にも生首ゾンビ,マチューテゾンビ,忍者ゾンビ等々,様々なゾンビの変種が登場して楽しめる。
主人公一行の行く先々で変種のゾンビと軍の白装束集団が襲って来て
ロメロの「ザ・クレイジーズ」気分が満喫出来るし,お化け屋敷感覚で
ゾンビが「バァ!」と飛び出して来るので,一瞬も退屈せずに楽しめる。
「退屈しない」なら,それだけでゾンビ映画としては上等の部類に入るのだ。
ゾンビが登場すると必ずテンポのいい曲が流れ,
思わずアハハと笑ってしまうコミカルさも本作の魅力。
廉価版も出たし,退屈しのぎとなる事だけは保証するので,
物は試しに御覧になっては如何だろうか。
でもね,デス・ワンを開発した博士の演技だけは,いただけないので
星1つ減点する。

最後に少し…「怖い話」をしよう。
本作…「サンゲリア2」は「サンゲリア」の続編でも何でもない。
「サンゲリア」の原題はゾンビ2,「サンゲリア2」の原題はゾンビ3と
言うが,ロメロの「ゾンビ」の続編でも何でもない。
また「ゾンビ3」と言う映画は「サンゲリア2」の他に存在してるのだ。

ゾンビ映画の初学者の諸兄は皆,この件(くだり)で頭がパンクするのだ。

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