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映画「イル・ポスティーノ」ブルーレイレビュー「隠喩(いんゆ)って何ですか?」

南米チリの詩人パブロ・ネルーダがイタリアのカプリ島に政治亡命してた史実を題材にイタリアの架空の島で漁師で寡黙な父の跡を継ぐ事を嫌い,島で唯一字が読める事から郵便配達員(イル・ポスティーノ)になった若者マリオ(マッシモ・トロイージ)がこの島に亡命した詩人のネルーダ(フィリップ・ノワレ)に郵便物を届けに行く口実が出来たのをいい事に彼に師事して詩作を学ぶ話。
彼が詩を学びたい理由は島一番の器量良しベアトリーチェ(ダンテの「神曲」!)に自作の詩を贈り気を引きたいという物。

最初の授業は「隠喩(いんゆ)って何ですか?」

ネルーダが「空が泣いている」とマリオに語りかけ
マリオが「雨が降っている」とネルーダに答える。

何だか…映画「ベスト・キッド」のパット・モリタの教えを彷彿とさせるね。
荒木飛呂彦先生の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第5部に登場するブローノ・ブチャラティは父親が漁師だったが「抜き差しならぬ状況」が発生し父の跡を継げずギャングになった。
彼が父の跡を継がず郵便配達員となったマリオの人生に自分を重ねたのだろうか。
彼は好きな映画に「イル・ポスティーノ」を挙げている。
彼が「ポルポの隠し財産」をカプリ島に隠したのも本作の影響かも知れない。

本作の主演を務めたマッシモ・トロイージは本作が完成して間もなく病で命を落としている。

島の景観・果物・料理が色とりどりでとても綺麗で観光に訪れたくなるね。
本ブルーレイには吹替が搭載されていてネルーダを久米明氏が演じてる。
僕はアニメファンでもあるのでマリオの父親を演じた槐柳二氏にマシュウを感じ,もっと声が聴きたかったが先に述べた通りマリオの父親は「寡黙」という設定故に生憎だった。


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