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映画「人間解剖島ドクター・ブッチャー」レビュー「キチガイ博士VSゾンビVS食人族!ウルトラゴアホラー版「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」と言えるのだ。」

ニューヨークの名門大学の医学部の死体安置所から
夜な夜な死体の一部を切断して盗む事件が発生。
ドレイク教授(ウォルター・パトリアルカ)と
優秀な女子学生ローリー(アレクサンドラ・デリ・コリ)が張り込むと
犯人はドレイクの助手のドレーンで
彼は死体から切り取った臓器を食い始める。
彼は東南アジアのモルッカ諸島出身の食人族だったのだ。

追い詰められたドレーンは窓から身を投げ墜落死するが
死の直前に「キートー」と言い残す。
ドレイク教授は東南アジアの文明に詳しい
ピーター・チャンドラー博士(イアン・マッカロック)に相談すると
「キートー」とは食人風習のある島だと言う。
恐らくドレイクはキートー出身だったのだろう…。

真相究明の為にチャンドラーとローリーはキートーに向かう決意をする。
同行者は新聞記者のスーザン(シェリー・ブキャナン)と
カメラマンのピーター(ジョージ・ハーパー)。

チャンドラー達は先ずモルッカ諸島で研究をしている
オブレロ博士(ドナルド・オブライエン)の元を尋ね協力を依頼する。
オブレロは快諾し
チャンドラー一行のガイドにモロトフ(ダカール)を付ける。

モロトフの導きでキートーへの中継地点として訪れた島で
食人族の攻撃を受けたチャンドラー一行は
絶体絶命の危機をゾンビ達に救われる。

チャンドラーはこの「中継地点の島」こそがキートーで
オブレロは「何か」を隠そうとしているのではないかと疑い始める。
それにあのゾンビ達は一体…。
そしてオブレロは何を企んでいるのか…。

本作品の原題のひとつが「ZOMBIE HOLOCAUST」でコレは
ロメロ監督の「ゾンビ」と
ルッジェロ・デオダート監督の「食人族(CANIBAL HOLOCAUST)」の造語。

つまりキチガイ博士とゾンビと食人族が
これ1本で嫌と言う程堪能出来る仕組みだ。

日本で言ったら「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」に相当する。
ストーリーはあって無きが如しで
「細かい事」を気にする向きには本作品は楽しめない。
アタマを空っぽにして夢の三つ巴の戦いを眺めるのが吉なのだ。

キチガイ博士が生きている人間の脳を死体に移植してゾンビを創造したり
食人族が人の目玉を抉り出してウマウマ食べたり
アレクサンドラ・デリ・コリが素っ裸に剥かれて
食人族の生贄として捧げられるのを無修正のヘアをガン見しながら
視聴すべき映画で知性など最初からかなぐり捨てている。
酩酊しながら観た正月2日の初夢映画。
富士山と鷹と茄子の代わりがキチガイ博士とゾンビと食人族と思えばよい。こいつは春から縁起がいいと思えない方には向かないと思う。

主演のイアン・マッカロックはルチオ・フルチ監督の
ゾンビ映画「サンゲリア」に出演した翌年本作に出演しているが
「ロケ地も役名(ピーター)も同じ!」
とどの特典映像でも怒り狂っている。
本作の本質は「サンゲリア」の流用映画の側面があるのだ。

「サンゲリア」でハートキャッチされた好き者の皆さんなら
本作も楽しめる事請け合いである。

シェリー・ブキャナンは容姿は決して悪くないのに
タコに襲われたり,キチガイ博士に無麻酔で開頭手術をされたりと
ロクでも無い役柄を嬉々として演じている。
本人が楽しいなら何も言う事は無いが
少しは仕事を選んだ方が良いのではないかと
老婆心が発動する昨今である。



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