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映画「アフリカン・カンフー・ナチス」ガーナアーリア人専用ブルーレイBOXレビュー「全編悪ノリの産物。だがそれがいい。格闘場面は健闘。」

1945年,第2次世界大戦が終結し,
ナチスドイツと大日本帝国は終焉を迎えたと思われたが,
両国の政治指導者のアドルフ・ヒトラー(監督自身)と東條英樹(秋元義人)は
密かにガーナに亡命し,
日本のカラテの力でガーナ人を制圧し,
両国の神器・血染めの党旗
(日章旗の中心にハーケンクロイツが描かれた意匠)で洗脳,
ナチスドイツ,大日本帝国,ガーナの3国で新たな枢軸国を形成し,
自らをガーナアーリア人と名乗り,
カラテの力を背景に世界征服に乗り出したのである。

(2024/3/6注釈:アフリカン・カンフー・ナチス公式さんから
貴重なツッコミを頂戴致しました!
アレはハーケンクロイツではなく卍(マンジ)だそうです!
監督曰く「アレは日本のテンプルマークだからセーフ!」だって!
日独ガ新枢軸国の国旗創作の影に
独から日への日和…もとい歩み寄りがあったんですね!)

なおポンコツのイタリアは今回除外された。
彼等に師匠を殺され,恋人を奪われた
若きガーナのカンフー使いアデー(エリーシャ・オキエレ)は,
ヒトラーと東條の野望を阻止し,師匠の仇を討ち,洗脳された恋人を奪回し,
祖国ガーナを解放する為に,
彼らが主催する武闘会に身を投じるのであった…。

全編悪ノリの産物で東條の口癖は「天皇陛下バンザイ」で,
その筋の人が憤死すること確実で
ゲーリング(マルスエル・ホッペ)などは黒色人種である。
恐らくあーでもない,こーでもないと
企画会議を開いている時が一番楽しかったに違いない。
確かに内容は悪ノリだが映画の役割はかつてのロックがそうであった様に
有識者の眉を顰めさせ,怒らせる点にあると考えるので,
もっと不謹慎であってもいい位だ。

バトル場面はガーナ人の長身が瞬発力のある演技を産み,健闘している。
短足胴長の東條が一番バトル場面の迫力が無く,
特殊効果の力で下駄を履かせて貰っている。

ヒトラー役も務める監督のセバスチャン・スタインは日本在住のドイツ人。
声色がヒトラー(本物)に似ている。

吹替はナレーターに上坂すみれ,主役のガーナ人アデーに水島裕,
ゲーリングに天龍源一郎を据え,
ヒトラーと東條は監督と東條役の役者が,そのまま声を当てている。
本編ディスクは英語音声2.0chと日本語吹替音声2.0chが収録され,
字幕&吹替共に関西弁が採用されている。
僕的には字幕の方が話が頭に入り易かった。

僕は定価の58%OFFで初回限定生産の
「ガーナアーリア人専用ブルーレイBOX」を購入した。
内容物は
1.ダンボール外箱(意外にコンパクト)
2.本編ディスク(リバーシブルジャケット仕様)
3.達人Tシャツ
4.8つ折りポスター(裏面はプロダクションノートとなっている。)
5.トレーディングカード3枚セット
6.ポストカード
7.映像作品「2016」が収録されたビデオCD2枚組
PART1(76分)とPART2(76分)に分割され,ビデオCD2枚に収録されている。
この「ビデオCD」なるものはBDプレイヤーでもPS3でも再生出来ず,
我が家の再生環境ではPCのWindowsMediaPlayerで
DATファイルに起動をかけることによって再生出来た。
恐らくガーナの言葉でスタンダードサイズ,画質は悪い。
何より難儀したのは日本語字幕非対応な点。
何を言っているのか分からんが,
ターミネーター2やエイリアン2のパロディが挟まれた
ガーナ発の映像作品らしい。

特典映像はメイキング映像が1時間42分10秒,関連映像集が15分56秒,
日本版予告が1分46秒(ナレーター:若本規夫),
ガーナ版予告編集が5分29秒という構成。

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