映画「凶人ドラキュラ」ブルーレイレビュー「画質最高!音声解説はクリストファー・リーの独演会!自分以外を皆端役と見做すリーの「超上から目線」が凄い!」

夕暮れ間近のカルパチア山脈の寂しい分かれ道で,馬車で,
それ以上進む事を蛇蝎の如く恐れ拒絶した地元の御者から
英国からの4人の旅行者が置き去りされた。
そこに無人の馬車が訪れ,渡りに船と乗り込んだ旅行者達を古城へと誘う。
古城では既に4人用のテーブルが用意され,
もてなしの準備が整えられていた。
不気味な執事は古城の主は10年前に他界していて
客をもてなす様,遺言を残したと言う。
何故死んだ男が客人を楽しませることに関心があるのか。
主の名はドラキュラと言い,ヘルシング教授によって土塊と化した遺体は
10年間,彼の忠実な執事によって保管されて来た。
そして彼の復活の生贄と成り得る
生命力を提供する犠牲者の来訪を待っていたのだ…。

すっごく画面が綺麗!ピッカピカだあ!
折角ドラキュラ伯爵をクリストファー・リーが演じてるのに
台詞がゼロってどういう事だい?
当然吹替でも台詞なし!
昔の映画にしては結構血が景気良く流れてホラー映画愛好家も恵比須顔!
間延びしない脚本も好印象!
昔の声優さんの確かな演技に酔い痴れます。

音声解説は主演のクリストファー・リー,助演のバーバラ・シェリー,
フランシス・マシューズ,スーザン・ファーマー
によるキャストコメンタリー。
リーが率先してホスト役を買って出て,
彼の司会進行の下,彼が話しかけた俳優だけに喋らせようとする。
リーの
「(いつも主役の)僕には分からないが,僕に負けると分かってる役柄を
君達は何を感じながら演じてるんだい?」
って質問には仰天。
彼の主役オーラが強いのは当然として
周囲の俳優を端役と思ってる上から目線が余りにもあからさまで,
助演の3人は初めは積極的に喋ってたけど
次第に黙り勝ちになって,結局リーの独演会!
リーの自尊心と誇りの高さを改めて感じると共に,
やはり別に司会進行を設定して仕切らせないと
直ぐ独演会になると思いました。
リーの話が面白いから,まだ救われていたけどね。

特典映像
1.メイキング・オブ・凶人ドラキュラ(00:30:33)
ハマーフィルムの歴史家マーカス・ハーン,俳優で脚本家のマーク・ガティス,
英国のゴシックホラー映画に関する著作のあるジョナサン・リグビー,
女優のバーバラ・シェリー(ヘレン役),
俳優のフランシス・マシューズ(チャールズ役),
作家で音楽家のデヴィッド・ハクベル
の6氏による「凶人ドラキュラ」への証言集。
途中本作のデジタル修復現場が紹介される。
2.ワールド・オブ・ハマー ドラキュラと生ける屍(00:24:52)
特典集「ワールド・オブ・ハマー」から
「ドラキュラ映画の章」を抜粋したもの。
ナレーターはオリヴァー・リード。
3.ビハインド・ザ・シーン(00:04:38)
フランシス・マシューズの弟ポール・シェリーが8ミリカメラで記録した
撮影の舞台裏(無音)に,クリストファー・リー,バーバラ・シェリー,
スーザン・ファーマー,フランシス・マシューズの4氏がコメントしたもの。
4.劇場予告編集(00:06:09)
「凶人ドラキュラ」「吸血ゾンビ」「フランケンシュタイン 死美人の復讐」の予告編集。
5.フォトギャラリー
宣伝用スチール画像集(00:07:04)及びポスター＆ロビーカード画像集(00:04:49)が収録されている。