映画「ヘルレイザー4 ブラッドライン(血脈)」4Kリマスター版ブルーレイレビュー「『ヘルレイザー』が『終わる』には…ピン様が『死ぬ』にはッ!もっと素晴らしい『何か』が必要で…その「何か」を…本作は…僕に与えてくれたんだ…ッ!」

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18世紀のフランスの玩具職人(Toy-maker)
フィリップ・マーシャント(ブルース・ラムゼイ)が作り出した「箱」は…。
この世とあの世を結び付け…娼婦アンジェリークを魔女へと変貌させた…。
魔女アンジェリークは…娼婦としての本性を…淫売としての本性を
そのままに…男を次々と誑し込み堕落させ…この世を退廃させて行く…。

フィリップは恐るべき毒婦を生み出してしまった自責の念から…
未完成の「箱」を完成させて「地獄」の干渉を断とうと試みるも…
18世紀の技術では「箱」の完成には至らず…
「魔女の世紀」は…終わるコトを知らなかった…。

20世紀(現代)になって
フィリップの血族(Bloodline)ジョン(ブルース・ラムゼイ(2役)）は
フランスの建築家として名を成していたが
ジョンには先祖から受け継がれた極秘の使命があった…。
ソレはフィリップの代で完成に至らなかった「箱」を完成させ…
「地獄」の干渉を断つというもので…。
魔女アンジェリークはジョンに接触し…
彼を己の肉体で堕落させ…彼を肉欲の虜にして…
「箱」の完成の阻止にかかる…。
ジョンが作り上げた「箱」は更に地獄からピン様を召喚し…
ピン様は魔女アンジェリークを「姫」と呼び…
「姫」の所業に加担し…
ジョンの首を刎ね…
彼の代でも「箱」は完成しなかった…。

22世紀になって
フィリップの末裔にして
ジョンの末裔の
ポール・マーシャント博士(ブルース・ラムゼイ(3役))が…
地球を遠く離れた宇宙ステーション「ミノス」で…
ピン様のエンドスケルトン(ターミネーター)を構築して
あのパズルを遠隔操作で解かせる実験を繰り返し…
フィリップの代でも
ジョンの代でも
完成に至らなかった「箱」の研究を続けている。
フィリップの構想で描かれた「箱」の中心に集積する「光」こそが
「箱」を完成させる要諦であって…
ポールはその「光」を太陽系の惑星直列によって生み出される
パワーで作り出そうというのである…。

「ワケが分からない」…?
そもそも「ヘルレイザー」とは…
ピン様とは…
「ワケが分からない」モノでしょう…?
「いかがわしい」モノでしょう…?

ピン様「映画『ヘルレイザー』が大人気コンテンツとなって…」
「ワタシは…『死ねない存在』に祭り上げられた…」
「『エイリアン』のリプリーがそうであるように…」
「『ターミネーター』のサラ・コナーがそうであるように…」
「『ヘルレイザー』のワタシもまた…」
「『死ぬ事を許されない存在』と化してしまった…」
「『ヘルレイザー』は…」
「『終わるコトを許されないコンテンツ』に肥大化してしまった…」

ポール「そんなコトはないよエド…」
「そんなコトはない…」

アラン・スミシー監督「オレが…『ヘルレイザー』を終わらせよう…」
「オレが…オマエを…死なせてやる…」

アラン・スミシーは…
ピン様を「快楽の追究者」に戻してくれた…
ピン様の内面が「無の境地」だと描いてくれた…
淫売の「姫」を出して…「ヘルレイザー」を…
「いかがわしい存在」に戻してくれた…
「3」で「ヘルレイザー」を「プリキュア」にされたときは…
もうダメだと天を仰いだし…
「ヘルレイザー」が「コドモ向け」にされたコトを…
天に向かってあらん限りの呪詛を吐いたが…

僕が欲しかったのは「納得」なんだ…。
コレなら「ヘルレイザー」が終わっていいという「納得」…
コレならピン様が死んでいいという「納得」…
その「納得」を…アラン・スミシー…アンタは僕に与えてくれた…。

宇宙ステーション「ミノス」が変形して巨大な「箱」となり…
ソコに惑星直列のエネルギーが「光」となって集積し…
「光」の中心に十字架の形に拘束されたピン様が…
「ワタシは死ねないィィィィィ」
「ワタシは死ねなァァァァァい」
「ダレかワタシを「不死の病」から解き放ってくれェェェェェ」
と絶叫し…
ポールが…「アーメン(斯くあれかし=そうしよう)」と呟いて…
ピン様が「箱」の中心で「光」に包まれながら「アーメン」と呟いて…
原子分解されて宇宙の塵(チリ)となって消えて行く…。

これ以上の「終わり方」は…
これ以上の「ピン様の最期」は…
「無い」と僕は「納得」したよ…。

「4」は…
「ヘルレイザー」を「終わらせた」功績と…
「ピン様の最期」を描き切った功績で…
「ヘルレイザー」最高傑作だと
僕は…何ら微塵の疑いもなくそう評価するものである…。

「ヘルレイザー」は…
コレで「終わる」のが一番いい…。
コレで「終わる」のが一番「正しい」んだ…。

物語はな…
終わるべきときに終わるべきなんだ…
終わるべきときに終われなかった物語の…
死屍累々を見詰めながらつくづくそう思うよ…
「ヘルレイザー4」が…
「ヘルレイザー」という物語を…
終わるべきときに終わらせてくれたコトを…
心から感謝したい気持ちで一杯だよ…。

4Kリマスター画質はとってもとってもキレイ…。
涙で画面が歪んで直視出来ないのが残念なくらいにね…。