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トニー・ランデル監督の映画「ヘルレイザー2 ヘルバウンド」4Kリマスター版ブルーレイレビュー「この世には!『クソゲー』なんて存在しません!」

「ヘルレイザー1」のレビューはコチラ。

「ヘルレイザー1」でフランクがピン様たちに善悪の彼岸に連れ去られた後,クリスティンは証言内容が官憲に全く信用されず
チェナード精神病院で治療を受けていた。

クリスティンは「1」でフランクに全身の皮を剝がされ…。
因幡の白兎状態にされて死んだ父ラリーが地獄で謂れのない責苦を受け
「オレは地獄にいる。助けてくれクリスティン!」
と血文字で助けを呼ぶ悪夢に魘されている。

地獄に行って父を助けなければ。
その為にはあのパズルを解いて地獄への道を開くしかない…。

一方チェナード院長はかねてより地獄に深い関心を持ち…
彼もまた「地獄へ行く方法」を検討していた…。
彼はクリスティンの証言を吟味し…
淫売のジュリアが…ただフランクに刺されて死に…。
ピン様たちを呼び出す為の触媒になったコトが俄かに信じられない…。

ジュリアはフランクと同じ様に現世の肉体を失っているだけで
フランクと同じ様に誰かの血液を媒介として
現世に復活するのではないか…。

チェナードはジュリアが死んだマットレスの上で
何度も自殺を試みた重篤な精神病患者を
剃刀で自分の体を切り刻ませて自殺に追い込み…
果たしてそのキチガイの血液を触媒として
ジュリアは進撃の巨人の様な筋組織剝き出しの姿で復活する…。

チェナードの考えはこうだ。
1.精神病患者の不思議ちゃん・ティファニーに
あのパズルを解かせて地獄への道を開く。
2.ジュリアをダンテの「神曲」で言うところの
ベアトリクスに見立てて地獄を案内させる。
3.地獄の最深部にはルシファーが氷漬けになっている筈で
ルシファーの力を得てオレは地獄の帝王となり
この世とあの世に君臨しよう…。

こうして…「RPGのラスボス」となるべく…
チェナードの大冒険が開始されたのであった…。

次いで不思議ちゃん・ティファニーとクリスティンの
2人パーティーも地獄に向かう。
勿論クリスティンの目的は「父の発見」だが
クリスティンとジュリアの間に浅からぬ因縁がある以上
ジュリアと行動を共にするチェナードとの対峙を
余儀なくされるのであった…。

この映画…「ヘルレイザー2 ヘルバウンド」を観て驚いたのは…
本作が「ヘルレイザー1」の正統な続編であり…
クリスティン,ジュリア,フランク…。
ピン様たちゼノバイトがそのまんま登場しているのだ。

「続編」なんだから当たり前だろ!
…と言われる方も多いだろうが…。
「続編」とは名ばかりで
ロクでもない駄作を掃いて捨てる程観た来た身の上には…。
「正統な続編」であるコトがもう奇跡なの!

チェナードは望み通りラスボス…地獄の医師チェナードと化し
「ファイナルファンタジー2」の
地獄に浮かぶ城・パンデモニウムの主・パラメキア皇帝の様な姿と化す。
地獄の医師チェナードと彼のベアトリクス・地獄の女王ジュリアと
同時に戦う必要があり…
チェナード単体でもピン様たちゼノバイトを一掃出来る程強く…
撃退は非常に困難であるが…

その攻略法はこうだ。
1.ラストバトルが始まったら手元にある「ラピュタの力の根源」の
形状としたパズルを解き…元の立方体の形に戻す。
「リバイアサン」と呼ばれるルシファーは…
この次元では「ラピュタの力の根源」の形状をしており…
先ず「リバイアサンの加護」を断つ必要があるのだ。
2.「リバイアサンの加護」を断つと…。
チェナードはリバイアサンに首をもがれて死ぬ。
3.チェナードは死ぬ間際にキミを「深淵」に突き落とそうとする。
4.ジュリアはキミに救いの手を差し伸べ…
「ワタシを信じて」と語りかけて来る…
5.ココは…「ジュリアを信じて彼女の手を掴む」のが正しい選択。
「ジュリア」と思っていたのは…。
実は「ジュリアの皮を被ったクリスティン」で
キミの「人を信じるココロ」を試したのだ。
6.「地獄」が崩壊し始める。
7.制限時間内にふたりで「地獄」を脱出し「チェナード精神病院の病室」に帰還すればベストエンディングを迎えられる。
8.勿論上記全てがノーヒント。

ウフフ…ピン様たちゼノバイト4人衆が束になっても敵わない
ラスボス戦の最中に超難解パズルを解かなきゃいけないってのが
とっても斬新でしょう…?

いやあ…コレ…初見でクリアすんのはまず無理なんじゃね?

こんな…映画だったら「電波シナリオ」「分かるワケないだろ」
と批判されるであろうシナリオだが…僕はゲームオタクでもあるので
「ゲームなら…これくらい難しくないと『歯ごたえがない』よね」
と言い切れるのだ。

ホントにね…「ゲームのシナリオ」としては
本作品のシナリオは…「良ゲー」と言えるのだ。
まあ…真面な神経のゲーマーならば
「クソゲーゲーゲーゲー!」
と連呼するかも知れんが…。

僕はホラー映画愛好家としても
ゲーム愛好家としても「終わっている」ので
「この世には!『クソゲー』なんて存在しません!」
と真顔で抗弁するのみだ。

ソレは…。
「ホモがキライな女子なんていません!」
…と同じくらい「正しい」と僕は思ってるよ…。

4Kリマスター画質はとてもキレイで…。
観ていて何らストレスを感じません。

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