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別館「ローカル×ローカル」ブックリレー。「わたしとローカル」~NO.9_フォトグラファー津留崎 徹花さん

ローカル×ローカル別館「room5」の本棚を、いってつの「気になるあの人」にお願いをするプロジェクト。

本棚のお披露目は、2022年3月オープン時を予定していますが、noteでは選書本を数珠つなぎに紹介していきます。

プロジェクトの詳細はコチラから。

第9回のゲストはフォトグラファーの津留崎 徹花さん。

津留崎 徹花(Tetsuka Turusaku)
出版社マガジンハウスに勤務したのち独立し、フリーランスのカメラマンとして活動をスタート。2017年に東京から伊豆下田に生活の拠点を移し、料理や人物の撮影などを中心に活動中。移住や下田での暮らしについてwebマガジン「colocal」にて連載「暮らしを考える旅」を執筆中。

徹花さんはフォトグラファーとして、東京・下田を行き来しながら仕事をされています。僕もいつか徹花さんのように、自分の腕一本で場所問わず動ける人になりたいなぁと、ある種憧れの存在でもあります。
※ちなみに宿のWebサイトの写真を撮ってくれたのは徹花さんです。

さて、徹花さんのローカルは、どんな世界でしょうか。

今回、ご紹介いただいた本は、

『ここで土になる』大西 暢夫

『ここで土になる』大西 暢夫/アリス館

熊本県の五木村という小さな集落に持ち上がったダム建設計画。
それによって、集落で暮らしていた住民はしだいに土地を離れ、以前は村に響き渡っていた子供のはしゃぐ声や住民の笑い声もすっかり消えていきます。そうしたなかで惟一、その土地を離れなかった老夫婦がいました。

その姿を写真家の大西暢夫さんが追っている写真絵本です。

公害にしてもこうした建設計画にしても、自分ではどうにもならない大きな渦に巻かれることがあります。おそらく自分であれば怒りや憤りに支配されるのではないかと想像するのですが、この本でみるご夫婦の姿にはそうした怒りのネルギーのかけらはなく、ただ今までと同じ暮らしを淡々と続けていて、時折その表情にみえかくれするのは静かな悲しみ。

そうした悲しみの底に身をおきながらも、次にこの土地で暮らす誰かのためにと、畑の草をむしり小石を拾っています。「畑に石がなければ、すぐに種を蒔くことができるからな」と。

この本を読んで、もし自分が当事者になったらどんな感情がわき起こるのだろうか。そして、どんな暮らしを選択するのだろうか。
そして、その土地で暮らすこと、生きることってどういうことなのだろうか、と改めて考え始めています。

選書していただいた本棚は、別館オープンの2022年3月から公開する予定です。

情報は、noteでもキャンプファイヤーの活動報告でも紹介していきます。

ぜひ南伊豆まで足を運んでみてくださいね。

宿の予約はこちらから▼




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