見えない人に向けて、届く時 -星野源のオールナイトニッポンを聴いて思う

星野源さんが12月3日(火)に放送された「星野源のオールナイトニッポン」で語ったことについて書く。

ワールドツアーの上海、ニューヨーク公演を振り返りの話がとても胸にグッと来た。

「中国のファン一同より」ともらったメッセージの中でのやりとり。

星野:<中略>『星野源 “POP VIRUS” World Tour』ってしたんだけども、気持ちとしてはネイバーフッドツアーっていうか、近所ツアーなんですよ。世界を近所にする。で、「いまは日本はSo Far、極東ではない。すごい遠い場所でもない」っていう音楽に関しても、心の距離も含めて。だから、地方公演として上海にもニューヨークにも行く。そういうことがしたいと思ったんです。
そこで、こんなに心のつながっている人たちがいるっていうのはすごく、ライブでも感動したし、こういう風にメッセージをもらって本当に感動したんですよね。で、そのことわざ……僕がどんどんと遠い世界も近所だと思いますって言っていたことと似たことわざを贈りますっていうのが書いてあって。
「海内在知己、天涯若比隣(かいだい ちきを そんすれば、てんがいも ひりんの ごとし)」っていう。その意味が、「世界に理解しあっている友がいる。天の果ても隣のようだ」っていう詩なんですよ。それってもう、なんていうか、本当にその本を読みながら僕が中国のみんなに対して思っていること。中国のみんなが僕に対して思ってること。それで僕が世の中に投げた思想。それをまた彼らが彼らの文化の中で返してくれたっていうことがあまりにも美しすぎて。

と語っていてですね。

なんて美しい詩なんだと思ったわけです。さらにこう続けるんです。

<中略>もう……これをニューヨークへ向かう飛行機で中で読んで、1人で泣くっていう(笑)。あまりにも感動して。だから、それですごく思ったのは、やっぱりどうしてもいままでね、日本でいろいろとライブをして。メールとか、あとはInstagramへのコメントとかをいろいろともらって。で、やっぱりその数がすごく多いわけじゃないですか。
だから、こういう感覚……どうしても言葉を通してこういう風につながるって難しいと思うんだけど。やっぱりいまの日本で活動をする時には。どうしても数が多すぎて。でも、僕はいつもその「見えない人に向かってやっていたい」っていう気持ちがあって。
日本のファンのみんな、あなたたちにはこういう風に思ってくれている人が絶対にいるんだっていう確信がここで持てたっていうか。自分の思いをしっかり受け取ってくれて、しかも表現する・しないは置いておいて、それを受け止めてくれる人。なんかそれを中国のみんなを通して、日本のファンのみんなっていうのをすごく感じたんですよね。

見えない一人向けて届けようとする。そしてそれが、異なる文化を持つ人から、届いたと思う瞬間ってどんな世界なんだろう。みんなって言葉は主語がでかくて普段は敬遠してしまうのだけど、このみんなって好きだ。

この言葉が贈られる星野源ってすごいなぁと思った。

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