搾取してくる(金銭的に)職場

ブラック企業が労働力を搾取、なんて言うのはよく聞くが、私の勤め先は労働力はおろか、金銭まで搾取してくる法人である。

私の勤務先はそこまで大きくはない医療法人の運営する地方の在宅訪問診療専門のクリニックである。
詳細については把握しきれていないが、在宅訪問を行うクリニックは、診療報酬の関係で月に患者数の何パーセントかの外来診療を行わなくてはいけない。大々的に外来診療を標榜しているわけではないので、患者数が増えれば増える程、外来患者数の確保が必要となる。
そこで職員に診療を受けさせ、それを外来患者としてカウントすることで必要な人数を毎月クリアさせるという手法を使っている。

先日、新しく入職した職員に主任がそのシステムについて、その際に発生した診療費に関しては福利厚生で返金されると説明していたが、

いや、返されてねーから

思わず口に出しそうになったが、さすがにそこは大人なので我慢した。
でも、返金されていないのは事実である。

法人が設立して5年くらい。その福利厚生での返金システムが確立したのは昨年の秋頃である。
入職して3年、ほぼ毎月のように法人の為に外来診療へ協力し、月15万の少ない給料の中からバカ正直に診療費を請求されるまま支払してきたが、返ってきたのはその半分である。
戻ってきていない金額は¥3000程度だが、薄給には大きい数字である。

私の他に同時期に入職した主任ともう1人の職員も同じく半分程度ちょろまかされていたようである。
金が戻ってきていないことを、法人での一切を統括している事務局長へ訴えたところ、¥3000くらい許してもらえませんかとヘラヘラ笑い、その横にいた主任はいいじゃん¥3000くらいと同じくヘラヘラ笑っていた。
そりゃあんた達はいいだろうよ、好きなように金を動かせる立場とそれなりの給料もらってるんだから。
許せません、返して下さいと再度、訴えたら来月の給料で返しますと言われたのが昨年の10月くらいの話だが、年が明けてもちょろまかされたままである。

昨年末、その金を返さない事務局長に慶事があり、お祝いと称して¥500ではあるが強制的に徴収された。
職員の家族に不幸があった際、頑なにお悔やみを出さず、返すと言った金を返しもしない人間にお祝いもへったくれもあるか経費で出しゃいいだろと言ったが、なんとしてでも事務局長のご機嫌を取りたい主任は聞く耳を持ってくれなかった。
つい先日も、バレンタインに理事長と事務局長が来るのでプレゼントを用意する案が出たが、それに関してはこれ以上、この職場に金銭を搾取されたらたまったもんじゃないと断固拒否した。ご機嫌を取りたければ取りたい人が金をかければいいだけの話である。私は軽蔑する人間に課金をする趣味はない。

ちなみに、ちょろまかされた¥3000については、他に訴え出る人がいなかったのでそのまま揉み消される方向だと主任から聞いた。
訴え出る人はいないのは職員の入替が多いからそこまで過去に遡る人がいないだけなのではないか。
腹立たしいので今月は拒否しようとしたが、強制的に受診、診療費も徴収された。

¥3000あったら立ち飲み屋でしっかり飲み食いしてお釣りがくるし、地下ドルのイベントだったらツーショット1回以上は撮れる。
個人的な基準ではあるが、生活の中での結構大きな部分に掛けられる金額まるまる、この法人に搾取されたことになる。

近日、理事長と事務局長が院長の恫喝問題について仕事終わりにどこかの店で食事をしながら聴取をしたいと申し出てきて、一部の職員は浮かれていたが、そんな勤務時間内に院内でやりゃいいことを、わざわざ対応しているポーズを取りたいが為に金を掛けるくらいなら、なぁなぁで搾取した金を返してほしい。ていうか、返せまじで。


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