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だれを想ったプレゼント!?

寒くなってきたので冬物パジャマを出した。
パジャマの衣替え時期になるといつも、次女出産の時のことを思い出す。

入院前に、欲しいものはないかと実母と義母に聞かれていた。
考えた末に、産院から用意するように言われていた「前開きのパジャマ」をそれぞれの母にリクエストした。

前開きは授乳に楽だし、産後の腰回りのことを考えるとズボンタイプのパジャマで、ということだった。

実母はツモリチサト、義母はKID BLUEで見繕って買ってきてくれた。

しかし、買ってきたのはそれぞれ「かぶるタイプのパジャマ」と「前開きのネグリジェ」だった。

「良いものなのよ!」
それぞれ母は言っていた。本当に良いものだ。自分で買うパジャマと手触りが違う。

しかし、私がお願いしたのは、前開きのパジャマだった。
私が必要といったのは、前開きのパジャマだったのだ。

だのに、贈られたものは私の要望からは微妙に逸脱したものだった。

これをきっかけに、人は人のためではなく、自分のためにものを贈るものなのかもしれない思うようになった。

でも、なんだかそのちょっとズレた贈り物はとても嬉しかった。母たちなりに、自分の好みも反映しつつも、お店であーでもない、こーでもないと選んでくれたのが手にとるようにわかったので。

だから、そのパジャマは次女の歳の数と同じ11年間ずっと着ている。
「良いものなのよ!」だから。

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