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やっぱ性格って音に出る

娘のバイオリン練習、最近は自室で勝手に弾くのに任せているため、レッスンに同伴して初めて「へぇ今こんな曲弾いてるのか」と知る、キャッチアップ不足感が否めない今日このごろ。

本当はもっと聞いてあげたほうが良いのだろうけれど、聞いたら聞いたで音程のズレや不正確なリズムにイライラして、いらない「ク○バイス」をする自分が手にとるようにわかるので、音階とエチュードの間に水を飲みに来る娘に「がんばってるねー」と声がけをする程度に留めるも、うっかり「それは6度の音階なの?」などと質問すると「10度です」などと素気ない返事をされ、「まじで何もわかってない親」という墓穴をほったりしている。

しかしながら、それが幸いしたのか、私も娘をだいぶ俯瞰してみられるようになった気がする。

先日もレッスンを見学して感じたのは、性格は音楽に出るということだった。

長女は、真面目に、言われたことは直し、先生のアドバイスを受け入れ、はしごの一本一本を飛ばさずに登っていくように努力するタイプ。だから練習もキチキチっとやる。

エチュードでも、曲でもドアの隙間から漏れ出る音が「親の欲目でも美音」だと、聞き入ってしまうことも(人には言えないけれど)ある。

しかし、言われたことは真面目にやるのだけど、自分で曲のイメージを膨らませてるのが苦手。
先生によく聞かれる「どんなふうにこの曲を仕上げたいの?」という質問にはいつも答えられず苦労している。「きれいに」「やさしく」「悲しく」など、ぼやーっとしたイメージで弾いているので、曲の肉付けが甘いというか。「クレッシェンドしてと言われたからしました」という強弱の付け方になったりする。

かたや次女は、練習も柔軟に「今日は音階よりエチュード先にやりたい気分なんだよね」と言って練習順序を変えたりするので、バレたら先生に怒られるんじゃないかと心配になる。

長女ほど美音でもなく、ボウイングも不安定で、「なんだか音がふらつく」と感じさせられることが多い。

しかし、レッスンで先生に「弾いてみてどうだった?」と質問されると、難しかったポイント、自分なりの工夫して練習した部分など、テンポよく答えることができる。「どんなふうに弾きたいの?」の問には「お姫様が夜眠れなくてバルコニーに出るんだけどぉ〜、月をみているうちに気持ちが落ち着いて、ベッドに戻って眠れるようになる感じ」などとストーリーをこさえて披露する。

なので、自宅練習ではとてもマルを貰えそうにない出来でレッスンに行っても、聞かせどころを押さえた演奏をして、「よし合格!」となってしまうことも。

クラシック音楽は、忠実に再現することが大事で、それを目標に練習を積み重ねるわけだけど、やーっぱり、どうしたって、性格ってにじみ出る。どっちが良いではないけれど、時々長女と次女を足して二で割ったら完璧なんじゃないかと思ったりもする。

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