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門井慶喜の「銀河鉄道の父」について

ドストエフスキーの白痴を読んでいるのだが、全然読み終わらない。読了した冊数を稼ぐために図書館で本を4冊借りてきた。そのうちの1冊が銀河鉄道の父である。

大学生の頃に、1度読んだっきりだったのだが本棚で見かけてつい手に取ってしまった。

とても面白かったわけではない。人に話したくなるような小説ではなかった。けど、ちゃんとした小説ではある。

この小説の主人公は宮沢賢治の父である宮沢政次郎である。父親の視点で宮沢賢治がどんな人物だったのかを読者に伝達していると同時に、息子のことを不器用に見守る政次郎の苦悩も描かれている。

政次郎のように支えてくれる人が周囲にいたからこそ偉業を達成できたという人が、世の中には沢山存在するだろう。時が過ぎればまるでいなかったかのように扱われたとしても、私はそうした誰かを支えた人達を尊く思う。

この小説を読んでしまったので、何だか久し振りに宮沢賢治の童話を読みたくなってしまった。

今読もうと思っている本を読み終えて、この読みたいという欲がうっすらでも残っていたら、岩波文庫版の風の又三郎や銀河鉄道の夜を図書館へ調達しに行こうと思う。

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