観光マーケティング　前半

村井宗明（ITエンジニア・元文部科学大臣政務官）

地域観光新発見事業における観光マーケティング分析支援について

この事業は、地方公共団体、DMO事業者など地域の関係者が連携して、全国津々浦々に埋もれた地域の観光資源を掘り起こし、地域の多様な観光コンテンツを造成します。また、適地適切な誘客策につながるマーケティングの開発や情報発信を行うことで、地方への継続的な来訪を促進します。事業の目的は、十分なマーケティングデータを生かして、適切な観光客へのアプローチを促進することにあります。

観光コンテンツ開発におけるマーケティング導入

今回の観光コンテンツ開発では、事業者の皆様に十分なマーケティングデータを生かした磨き上げを行っていただくため、様々な支援を用意しています。観光コンテンツ開発におけるマーケティングとは、人を起点とした観光マーケティングを行うことです。これは、顧客のニーズや欲求を深く理解し、それに基づいて製品やサービスを開発・提供する考え方に基づいています。

支援内容の説明

  1. 観光マーケティング分析支援: 観光マーケティング分析に関する支援講座の動画の提供、マーケティングデータやモデルケースの提供。

  2. 地域間の新発見スペシャルの開催。

  3. 地域観光新発見オンライン講座の公開。

これらの支援を通じて、観光コンテンツの成功率を高めるためのマーケティングモデルを提供します。

マーケティングプロセス

観光コンテンツ開発におけるマーケティングプロセスは、市場環境分析から始まり、マーケティング戦略の構築、マーケティングミックスを用いた具体的なコンテンツ開発へと進みます。最終的には、これらの活動を継続的に実施し、改善していくことが目指されます。

今後の展望

今後、観光マーケティング分析支援を始めとするマーケティング関連の支援内容については、地域観光新発見事業サイトにて順次公開されます。皆様には、随時お知らせをご確認いただき、事業計画の具体化に役立てていただくことを期待しています。

マーケティングマクロデータとツール紹介
初めに、今回の講座では以下の2つの内容についてご説明いたします。

  1. 現在の観光業界を取り巻く実態データ、マクロデータの確認

  2. マーケティングデータツールの紹介

マクロデータについて
観光業界におけるマクロデータには、以下の3つの視点が含まれます。

  1. 観光業界のトレンド

  2. 国内旅行者の行動変化

  3. 海外からの旅行者の行動変化

これらのデータを踏まえた上で、皆様に観光コンテンツ開発に着手していただければと思います。
マーケティングデータツール紹介
本事業では以下の7つのマーケティングデータツールを紹介します。

  1. 日本観光振興デジタルプラットフォーム

  2. リーサス

  3. Vリーサス

  4. 観光予報プラットフォーム

  5. 日本政府観光局（JNTO）のデータ

  6. 予行年方

  7. 生活定点

これらのツールを用いて、地域の観光状況を把握し、効率的なマーケティング活動を行ってください。
日本観光振興デジタルプラットフォームの利用方法
日本観光振興デジタルプラットフォームの利用にあたっては、以下の手順で進めていただきます。

  1. 事務局への利用申請後に提供されます。

  2. 提供開始時期が確定次第、本事業サイトにて連絡いたします。

  3. 内容を確認の上、本事業サイトから利用申請フォームを記入し、申請してください。

  4. 事務局から利用承認のメールが届き次第、ログインIDとパスワードを使用してプラットフォームにアクセス可能です。

利用期間は約1週間程度を想定しています。利用期間終了後、再度利用したい場合は再度利用申請を行ってください。アカウント数には限りがあるため、申し込みが多数の場合は待ち時間が発生する可能性があります。

観光コンテンツ開発のための環境分析と三C分析
まず、本講座の目的についてご説明します。目標は、申請様式1において、ターゲットとそのニーズ、及び自社や自組織の課題を理解し記載できるようになることです。
三C分析とは何か？
三C分析は、観光コンテンツ開発やマーケティング活動を始める際に、競争環境を正しく把握するために用いられるフレームワークです。この分析は、カスタマー（顧客）、コンペティター（競合）、カンパニー（自社）の3つの視点から構成されます。
分析の心得とプロセス
分析を行う際、重要なのはフレームワークをただ埋めることに固執するのではなく、市場の状態を冷静に把握し、仮説を持って分析に臨むことです。具体的には、まず顧客の立場に立ち、彼らのニーズや欲求を理解しようとすることが重要です。
三C分析の具体的な内容

  1. カスタマー（顧客）の視点： 自分たちの地域に来る観光客のニーズを分析します。どのような体験を求めているか、どんな旅行を望んでいるかを理解します。

  2. コンペティター（競合）の視点： 自分たちの地域と比較される他の地域の特徴や強みを分析します。どの地域が競合となり、どういう点で自分たちと異なるのか、顧客がどのように比較しているのかを理解します。

  3. カンパニー（自社）の視点： 自社の強み、顧客の反響や満足度から見える自社の特徴を把握します。自社が提供できるユニークな価値は何か、どのように顧客のニーズを満たせるかを分析します。

ワークシートの活用
本講座では、三C分析を効果的に行うためのワークシートも提供されています。このワークシートを使って、自分たちの観光コンテンツ開発における各Cの分析を行い、実際の様式記入に役立ててください。各セクションには、参照すべき主要なデータや、分析に必要なポイントが記載されています。
以上で、観光コンテンツ開発のための環境分析と三C分析に関する講座を終了します。


ありがとうございます。 よろしくお願いします。