読書メモ(しぐさの心理学)

■感想

・会社からの推薦図書で読んだ。以外に自分の無意識の動作に意味があったことに驚いた。特に首を触ったり目を覆う動作をしがちだったのでどこか不安やストレスを感じていたのかなと振り返ってみた。相手の状況を知るだけでなく、自分の感情を正しく認識するためにも非常に役に立つ知識だと感じた。

■作者と概要

・作者はジョー・ナヴァロ。FBI捜査官で被疑者のノンバーバル・コミュニケーションから真実を導き出してきた。本書ではしぐさが何を意味しているか、しぐさに着目すべき理由は何かが書かれている

■よかったインプットメモ

・人間には「爬虫類系脳(脳幹)」「哺乳類系脳(大脳辺縁系)」「人間脳(大脳新皮質)」の3つに分かれる。しぐさは「哺乳類脳」に現れる現象であり、これは古代危険な状況にあった時に生き残れるようにプログラムされたものであるため、無意識のうちに出てしまう現象であるからである。逆に人間脳は考える機能を司っており、騙す時に使う機能でもある。

・大脳辺縁系には主に「固まる」「逃げる」「戦う」の3つの反応がある。固まるー逃げるー戦うの順で行動に現れる。そしてその後にはほとんどの場合「なだめ」の行動が伴う。これは不快な状況や手におえない状況から普通な状況に戻ろうと「元気付ける」無意識の行動である。ストレスを感じた時に、顔、頭、首、手、腕、肩、足に触るのは全てなだめ行動である。

・首元を隠したりマッサージする行為、顎の下を引っ張る行為はなだめ行為の最もな例である。首には迷走神経が豊富にあるので、撫でると血圧が下がり、落ち着く効果がある。女性の場合、ネックレスなど首元の装飾品を触る際も同様の理由である。顔を触る行為も顔が末梢神経が多く同様の理由である。

・口笛や独り言もなだめ行為である。また、あくびが止まらない際もなだめ行為である。あくびにより唾液腺に圧力をかけることができ、口の渇きを癒し緊張をほぐす効果がある。

・膝をこする行為は不快や不安を表している。また、Yシャツをバタバタさせる「換気」の行為や髪をかきあげる行為は今起こっている状態が不愉快であることを示している。両肩を体の前でクロスさせ、両肩をさする行為は身の安全を感じたい時のなだめ行為である。

・なだめ行為が最も見えやすいのは脚である。足は人類が動くための手段であり、危険を感じて真っ先に動かすべき場所であることから大脳辺縁系の反応が真っ先に出やすい。

・小刻みに動いたり跳ねたりする足や、重力に逆らい上を向いている足は嬉しい感情を示している。また、立っていながら足を交差しているときは好意の表れである。足のふれあいも好意を示している(足は多くの感覚受容器があり、その先には脳の性器の興奮が登録されているところに近い)

・両足の膝を握る行為は早くその場を立ち去りたい意思の現れである。足が向きを変える時、人や物に向かっているか離れているかは注目すべき点である。離れている場合は不快を、向かっている場合は好意を示している。両足を広げる行為は縄張りの主張である。揃えて立っていた足が開いていくときはその人が不快を感じている証しである。同様に座っている時に足を蹴るような動作も不快を示している。足を固定する動作はストレスや恐怖を示している。座っている際に椅子の足に絡めたりする動作も同様である。

・嫌いなものからは体を離す。また腕を組んだり突如ジャケットのボタンを締めるのも不快感の現れである。腕に限らずバックを体の前に密着させたり胴体を盾のように守る行為は不安を表している。

・動揺したり恐怖を感じると腕を引っ込めたり動かさなくなる。虐待を受けている子供は親が近くなると腕の動きが極端に減る傾向にある。また万引き犯も自分の体を小さく見せるような動きになる。

・腕を後ろに組む行為は「私の方が地位が高い」「近づくな!触るな!」という警告の意味を表す。腰に手を当てるしぐさも同様の意味を表す。劣塔のポーズ(指同士を合わせる)は自信の表れである。この状態で嘘をつくことはほぼない。手を組むポーズはストレスや心配事があることを伝えている。親指だけポケットから出す行為は自信を示し、逆に親指だけポケットに入っている状態は地位が低く自信がないことを示す。

・手をマッサージするストレスや自身のなさを表している。同様に手をこすり合わせる行為も不安や緊張をなだめる行為である。

・目を覆ったりこする行為は今見たことや聞いたことに対する不快の現れである。

・作り笑いでは口角が耳の方に流れるのに対して、自然な笑顔では目の方に流れる。

・唇を固く結ぶ行為はストレスや不安を示す。

■その他メモ

・握手を力強くしすぎる行為は相手に不快を与える。両手で行うことも同様である。相手の手の甲を隠すことはあまり良い印象を与えない。

・生殖器の周りを囲むポーズは異性へのアピールである。若者ほど意外にこのポーズをとっているらしい

・不愉快や緊張、疑いのある状態で首を傾けるのは難しい。同

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