読書メモ(メディアガイド2017)

■感想

・インターン時に広告営業をするにあたって読んだメディアガイドを久々に読んだ。就活時に広告業界志望だったこともあり、改めてデータによる自動最適の魅力を感じたとともに再度広告に関われる機会があったらぜひ関わってみたいという気持ちになった。

■作者と概要

・作者は博報堂DYメディアパートナーズ。2016年度までの4マス媒体+webにおける変化やトピックが書かれている本。ここでは主に広告業界全体とwebについてメモしている。

■よかったインプットメモ

・モバイルシフトにより新たに「Chain Viewing」と「Simul Viewing」が生まれた。「Chain Viewing」とはみたいコンテンツが明確に決まっているわけではなく、異なるスクリーンやコンテンツに次から次へと視線を移す行動である。「Simul Viewing」とは動画を見ながら次見る動画を決めたり視聴中でも通知が来たらSNSを見たりなど同時に何かをしていることである。

・広告費の業界別内訳では1位が情報通信、2位が化粧品トイレタリー、3位が食品である。

・現在広告市場の1/4がweb広告でテレビ広告に次ぐ第2位である。

・ユーザー情報が定量的に分かるため、高度なターゲティングや効果を可視化してリアルタイムな改善が行える。費用対効果が非常に高い。

・web広告を出す目的
  ・認知向上・顧客獲得(サイトへの流入、実店舗への来客など)
  ・ブランドイメージの上昇・短期的売上向上

・web広告業務フロー大きく以下の事業者がいる
①メディアレップ
インターネット上の多数の媒体社と広告会社を仲介して媒体社の営業を行う
主にCCI、DACがある
②配信会社
媒体社に変わって広告配信を一括して行う事業者
広告配信数、クリック数などの各種データを管理測定し、レポーティングを行う
③ウェブ視聴データ会社
インターネットユーザーから対象者を絞ってパネル調査を行う
ビデオサーチインタラクティブ、ニールセンなどが該当する
④制作会社
広告スペースのクリエイティブ担当する

①リスティング広告
検索エンジンの検索結果ページに、検索キーワードと連動して表示されるタイプの広告検 索した時に1番上にでる
 ・料金形態:クリック課金型
 ・コスト:1クリック10円-500円前後
 ・メリット:クリックされなければ費用がかからない。
 ・デメリット:競合の多いキーワードだと費用が高い。
  例:Yahoo!JAPANとGoogle

②アフィリエイト広告
広告主の商品やサービスが実際に成約された際に広告費が発生するタイプの広告。成果報 酬型広告とも呼ばれている
 ・料金形態:成果報酬型
 ・コスト
  ASP初期費用:5万円前後
  ASP月額固定費用:5万円前後/月
  ASP手数料:成果報酬額の30%前後
  アフィリエイトサイト成果報酬:広告主が設定した金額
  メリット:すぐ始められる。
  デメリット:効果が出るのに時間がかかる。
  例:アクセストレード、A8net

③アドネットワーク広告
広告媒体のWebサイトを多数集めて「広告配信ネットワーク」を形成し、多数のWebサイト上で広告を配信する広告配信手法。配信カテゴリーに向けてピンポイントで配信が可能。(https://dmlab.jp/adtech/adn.html)
 ・料金形態:クリック課金型
 ・コスト;10円-500円前後/1クリック
メリット:入稿および入札するだけで、そのアドネットワーク傘下の媒体に大量出稿ができる。
デメリット:出稿媒体を選定できないため、ターゲットとしていないWebサイトに出てしまうことがある例:(nend、MicroAd)

④ソーシャルメディア広告
 ソーシャルメディアへ情報を広める仕組みを備えた広告手法。
 ・料金形態
  エンゲージメント課金型、クリック課金型
 ・コスト;1CPE1円-200円前後
 メリット:細かくターゲットを絞れる。
 デメリット:SNSを使用しているユーザーにしか届かない。(例:Twitter、facebook、LINE)


⑤DSP広告
広告主の広告効果の最適化・最大化を図るプラットフォーム
 ・料金形態:インプレッション課金型
 ・コスト:1000インプレッション10-50円前後
メリット:最適なユーザーに対してインプレッション単位で効果的に広告を配信。

⑥ネイティブ広告
そのメディアやサービスのコンテンツの一部であるかのように見えるタイプの広告。
 ・料金形態:ページビュー保証型(広告の文章や画像が、ある一定の閲覧数に達するまで掲載される広 告)+別途コンテンツ作成費
 ・コスト:2万PV=100万円前後
 ・メリット:通常のバナー広告とは違って内容をよく理解してくれる。広告をシェアされや すい。
 ・デメリット:コンテンツのデザインと合うように表示のハードルが高くなる。(例:neverまとめ、Gunosy Ads)


⑦掲載型広告
ネットメディアやデータベースサイトなどの媒体のコンテンツの一部として掲載する広告
 ・料金形態:掲載課金型
 ・コスト:1-50万/月

⑧動画広告
テレビCMのように一定時間動画を表示する広告
 ・料金形態:視聴課金型
 ・コスト:10-200円/1クリック
 ・メリット:ターゲットを絞れる。ユーザーを追いかけれる。費用対効果が効果的。
 デメリット:動画作成にお金がかかる。(例:You tube、ニコニコ動画、Ameba)


⑨メール広告
電子メールに掲載される広告。ユーザーのメールアドレスデータを所有している媒体が取り扱っている
 ・料金形態:配信課金型
 ・コスト:5-10円/1通

⑩その他
・リワード広告
 アクセスした訪問者に報酬の一部を還元する仕組みを持ったネット広告。
 料金形態:インストール課金型、アクション課金型
 コスト:80-300円前後/1インストール・1アクション
・ディスプレイ広告
 ネットメディアやデータベースサイトなどの媒体のコンテンツの一部として掲載する広告
 料金形態:掲載課金型
 コスト:1-50万/月
・バーナー広告
 Webサイト上に画像やFLASHを用いて表示される広告
 *詳しい情報はhttps://dmlab.jp/words.htmlに

①広告配信方法(配信ロジックはそれぞれ異なる)
運用型広告の配信決定→オークション
広告表示1回ごとにオークション
結果次第で配信の有無や掲載順位、掲載箇所が決定
例:リスティング広告の「Google AdWords」掲載順位→「入札単価×品質スコア=広告 ランク」
*一番高く入札した広告主の広告が一番上に来るわけではない


②運用型広告の運用方法
運用型広告:予算を元に、随時入札価格やその他調整できる項目をリアルタイムで調整しながら、効率を上げていく広告
 1クリック〜円という形で入札する広告
 *〜インプレッション(露出回数)で、〜円は「枠買い広告」

運用手順
・掲載内容作成
 入稿規定を確認の上、入稿物(テキスト、画像など)の作成と、媒体特性を踏まえた上でのアカウントの構成、作成
・入稿・掲載
 掲載内容を媒体仕様に応じた入稿ファイルに記載し管理画面にセット。*設定漏れや記載 漏れがないように注意
・予算管理(管理)
 広告予算を上回らないように、アカウント予算やキャンペーン予算を設定。利用進捗に応じた入札額の調整や日予算の変更の実施。
・掲載管理(管理)
 配信したいターゲットユーザーや掲載面に広告が掲載されているか、不適切なサイトに広告が配信されていないか確認。
・スケジュール管理(管理)
 掲載開始日、掲載終了日に問題がないか確認。クリエイティブごとに掲載期間が異なる場合は、掲載停止漏れを防ぐためにもキャンペーンやグループごとに分ける。(*キャンペーン、グループ:管理画面上で掲載期間や入札、クリエイティブをグルーピングするための機能。)
・分析
 計画を立てた目標に対して現状の数値を確認し、目標と実数値で乖離のある要因を見つけ出す。分析時には当月実績だけでなく、先月や昨年実績との比較、業界実績との比較なども行う。
・改善策立案
 前述の分析によって課題を明確にし、改善仮説を立てターゲットや配信先の拡大や停止、広告クリエイティブの変更、入札金額の調整などを行い、配信件数の拡大や獲得単価の改善につなげる。

基本用語
・CV(Conversion)
 Webサイトにおける目標の達成を示す
・インプレッション
 広告の表示回数(広告画像のリクエスト回数)
・セッション
 ユーザーがWebサイトを訪問してから離脱するまでの一連の流れです。ただし、同一ユーザーでも30分以上操作しなかった場合、次のアクションが新規のセッションとなるなど、定義は使用するアクセス解析ソフトによって違う
・UU
ユニークユーザー数、そのWebサイトに訪問したユーザー数のこと
DAU(日別)、MAU(月別)などの指標がある
・CPC(Cost Par Click) 
 広告1クリックに要した広告費用
・CPM(Cost Par Mille) 
 1,000回表示されるごとの広告コスト
 クリックではなくインプレッション
・CTR(Click Through Rate)
 クリック率、表示回数に対してのクリック数
・CVR(Conversion Rate) 
 コンバージョン率
目的に対する施策をうちの成果量
・CPA(Cost Par Action)
 CPA=CPC÷CVR
 獲得単価 
 費用対効果を判断する上で1番ダイレクトな指標
 実際にかけた広告費用に対していくら売れて、1つ売るのにいくらの広告費用を費やしたかがわかる


・オーディエンスターゲティング
 オーディエンスデータを用いたターゲティング手法。
 オーディエンスデータとは、Cookieをもとにした、個人を特定しない「人」データのこと


・インデックス
 検索エンジンロボット(クローラー)がWebページ間のリンクを辿って収集したWebサイト情報を格納したもの


・DSP
広告在庫の買い付け、広告配信、掲載面、クリエイティブの分析、入札単価の調整、オーディエンスターゲティング等、広告主のためにあらゆる最適化をシステマティックに行うツール

・SSP
媒体側の収益を最大化させるためのプラットフォーム(Supply-Side Platform)
インプレッション毎にeCPMを算出し、基本的に1番高額と判断された広告が配信される仕組み

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