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客単価30倍になった寿司屋にECに大事な事が詰まってた

九州の戸畑で人気の「照鮨」をご存知でしょうか?

僕は前の職場で少し聞いたことがあったって知っていたんですが、たまたまテレビで見かけて、売れた理由を聞いていたら「今のECで大事なことが詰まっている」と思ったのでまとめました

照鮨があるのは九州の戸畑という場所
立地は福岡の小倉駅からタクシーで15分
歩いていける距離ではないし、立地はイイとは言えません
※小倉駅は博多から電車で15分ぐらい

その鮨屋が元々客単価1000円から、今では客単価30,000円になったそう
そして世界中から鮨を食べにくるお客さんもいて、弟子の志願者もいるそう

その成功には3つ要因があると思ったのでまとめていきます


①クオリティの追及

寿司屋の商品とは「職人の技術」と「素材」

大将は、九州山口エリアの食材を知れば知るほど「なんでこんな良い食材が売れないのか?」と疑問を抱いたらしく、まずは自分が最大限活かせるように伝統的な技術を学びつつオリジナルの技法も磨いたとの事

またその「こんなにいい食材」の中でも最高級のモノを提供するために
食材選びも妥協せず、とんでもない魚を獲る漁師を探しては会いに行き、素材選びもとことんやりこみ、どれだけ損しても最高の食材だけを買い続けたそうです

まずは一番重要な鮨のクオリティを最大限上げる為に「技術」×「素材」の最大値をとりにいった

②過去にとらわれない

旧体質を踏襲するだけでは革新的な物は生まれない
そう考える大将は大きく3つのポイントを変えました

・ショーケース→ヒノキのカウンター
旧来の素材がショーケースに入っていて、そこから取り出す形式のところから調理が見えるカウンターに

・ネクタイ→蝶ネクタイ
白衣×ネクタイが一般的ですが、ここの大将は蝶ネクタイ

・包丁→70㎝の長包丁
従来の包丁から、かなり大きい包丁へ
これで魚をさばくのはかなりのインパクトですよね
※扱っている魚や生身も大きい


③体験

「トップクラスの素材を使って握るんだから、寿司が旨いのは当たり前。さらに美味しくさせる最後の調味料は、やっぱり人間味でしょう。心意気、パフォーマンス、高揚感。それが食事中の感動を倍増させるんです」と大将

他の商品でもそうですが、”機能”ご飯でいう所の”味”は一定のレベルからは、食材の味だけでは差がつかなくなる
テレビでも良くある格付けみたいに1000円と10000円の牛肉を見分けられない話に近い

そこでうまさを更に高める為に、力を入れたのが「プロモーション=体験」

照鮨の体験は大きく3つ
①70㎝の大きい包丁でのライブ感ある調理
②その調理をカウンターで楽しませること
③お寿司の提供の仕方

これは知っている人もいるかもしれませんが、照寿司での提供はこんな↑感じ

強面の大将が、最高の食材で握った寿司を「ででんっ!」と見せてくれるスタイルが印象に残り、この迫力ある画がインスタに口コミとして投稿され#sushibaeというハッシュタグと共に世界に拡散された

まとめ

僕が思う照鮨の一番の成功の秘訣は「商品のクオリティを追求した事」だと思います

最近、奇をてらった事をしてTikTokやインスタでバズるお店もすくなっくない(そしてテレビもネタが欲しいから取材しやすい)

ただ僕個人の経験では、そういう所に行ってホントにおいしかった所はほぼほぼない
※そして6ヶ月~1年後にはもう列ができていない

それは商品のクオリティの追及ではなく、バズの追及をしているからだ

本来、多くのビジネスでは「リピートしてもらう」もしくは「紹介してもらって新しいお客さんに来てもらう」が一番良い状態

ただバズを求めるあまり「新規の集客」だけになり、飲食では特にですが「通える人」が限られるので続かなく、来れる人が来ても商品のクオリティがなければ「映え写真」をとって終わり
UGCは発生するかもしれないが「味は微妙だった」という評価月になってしまう(そうなったら僕みたいな人間はわざわざ列を作ってまで行きたいと思わない)

クオリティをホントに追及したので、実際に足を運んだ時に「おいしい」と満足度が生まれ
それが口コミになってちょっとずつ広まり、芸能人の食通たちの耳にも入り、色んな美味しい食材を食べてきた芸能人たちをも満足させれてまた新しい口コミを産んだんだと思います
※タクシーで15分の場所というのも、結構期待値が上がってしまうので中途半端だったら悪評になってしまうと思います

そしてその「良い商品」の「魅せ方」がよかった

今は情報社会で、1日の情報量が江戸時代の1年分とも言われています

レストランだけでも毎日Tiktokを見ていたら色んな所をがでてきて”普通”だと埋もれてしまう
※僕も今おすすめの焼肉は?と言われて思い出せるのは「特徴のあるところ」です

照鮨で言えば「小倉や博多に行ってお寿司食べたい」となった時に、記憶に残らなければ思い出してもらえない

「あえて違う」×「映えるポイント」をつくったことで、お客さんの記憶にも残りやすかったんだとおもいます
※さらに大将の見た目とポーズのマッチが加点に

何よりも「商品のクオリティ」にこだわり、さらには「体験と魅せ方」を突き詰めた部分は、ECの事業者も支援者も学ぶ部分は多いと思います

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