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【読書のあいだ】2024年1~2月の読書記録

読書記録を始めます。2ヶ月毎にまとめて記録。

2024年 1~2月に読んだ本を、読んだ順に列挙してみた。全部で16冊。特におすすめの本には★をつけている。
リストを眺めていると、自分の興味と思考の変遷が可視化されて面白いことに気がついた。面白さは自分にしかわからないだろうが、それこそがとても面白い。あらかじめ読む順番を決めているわけではないからこそ面白い。本と本のあいだにあの時の自分がいる感じがする。

■2024年1~2月読書リスト
・千葉雅也、國分功一郎『言語が消滅する前に』
・徳永哲也『正義とケアの現代哲学』
・國分功一郎『中動態の世界』★good
・千葉雅也『勉強の哲学』★good
・貫成人『哲学マップ』
・Tak.『アウトライナー実践入門』
・下西風澄『生成と消滅の精神史』★good
・ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』
・後藤達也『投資の教科書』
・為末大『熟達論』
・岩内章太郎『<私>を取り戻す哲学』★good
・池田善昭、福岡伸一『西田哲学を読む』★good
・ドミニク・チェン『未来をつくる言葉』★good
・金田諦應『傾聴のコツ』
・福岡伸一、伊藤亜紗、藤原辰史『ポストコロナの生命哲学』★good
・武田砂鉄『わかりやすさの罪』★good

■読書のあいだ
年始最初に読んだ本は、千葉雅也&國分功一郎の共著『言語が消滅する前に』だった。昨年末は國分功一郎や他著者の哲学系の本を読むことが多く、その流れで辿り着いた。
國分功一郎『中動態の世界』千葉雅也『勉強の哲学』は、『言語が消滅する前に』の本の主題であり、これら2冊の本を出版した記念の対談本のようなものだったので、出版意図とは順番が前後している。いずれの本も素晴らしい。

下西風澄『生成と消滅の精神史』は、為末大さんが絶賛していたことが理由で手に取った。この本から、池田善昭、福岡伸一『西田哲学を読む』福岡伸一、伊藤亜紗、藤原辰史『ポストコロナの生命哲学』につながっていく。『生成と消滅の精神史』が紐解く、言語や心が人間そのものになっていく過程が興味深い。言語や心(ロゴス)以前の自然(ピュシス)の復興が必要だと考える福岡伸一の生命哲学は、生成と消滅の間で揺蕩う現代の人間にとって、重要な世界の捉え方だと思った。いま私が引きずっている病気(コロナ後遺症)にたいしても、向き合い方が随分と変わった。人間としての責任を引き受けて自然を信頼するしかない。

また、ロゴスの世界の中心に座する言語に興味を持った。ドミニク・チェン『未来をつくる言葉』はその興味から読んだ本だ。「コミュニケーションはわかりあうためのものではなく、わかりあえなさを互いに受け止め、それでもなお共にあることを受け入れるための技法である」とある。そこから、武田砂鉄『わかりやすさの罪』を手にした。人をや物事「わかる」ものにしようとする危うさがそこらじゅうにある。

西田哲学や、福岡伸一の動的平衡は「あいだ」の重要性を説く。包みつつ包まれる。作りつつ壊される。読書にも「あいだ」があった。やっぱり、作りつつ壊されている。

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