なぜ「会議は伸びるのか」を科学する【人事シリーズ⑥】
皆さん、こんにちは!けんたろと申します!
数学とファイナンスがとても得意で、今は人事部門に所属しているので、人事制度や働き方に関係しそうな論点をシリーズでnote化してみようとはじめてみました!
今回は「会議時間」に関してです。
社会人やっていたら一度は出会う「会議時間を短縮しよう」というカタチだけのキャンペーン運動(笑)
取り組みとしてはとてもいいんだけど、ただただ会議の時間を短く設定して、
気づいたら従来の会議時間に元通りというパターンを経験したことある方多いんじゃないでしょうか。
入社10年の中で僕も3-4回経験してますw
こちら、会議が伸びる構造を押さえないと、”臭いものに蓋”状態で
根本の課題解決になっていないんですよね。
ということで、今回は”なぜ会議時間は伸びるのか”にフォーカスしてまいります!
パーキンソン氏による会議時間が伸びる理由の解説
実は、会議時間が伸びる理由については、既に著書としてまとめ上げられているんです!
英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソン(1909-1993)氏は彼の著書の中で、以下の法則にまとめていて、
特に”第1法則”と”凡俗法則”が「なぜ会議が長くなるのか」というこのnoteで取り上げたい問いに答えてくれるんです。
まず、第1法則。上記画像で貼り付けた通り、「仕事量は、完成に必要と与えられた時間まで膨張する」という点です。
端的に言うと、「Aくん、これ1時間で完成しておいて。」という指示が出されたときに、A君は例え30分で終わる業務だったとしても1時間かけてその業務に取り掛かるというもののようです。
これは会議においても同様で、1時間で会議が設定された場合、本来30分で終わるアジェンダだとしても1時間いっぱい使って議論をしちゃうんですね。
この法則に基づいて考えると、冒頭記載したような「会議の時間を短縮して設定しよう!」という運動は適切にも感じますね。
著書「The Goal」で有名なゴールドラット博士も彼の別の著書の中で、部下から必要と申請のあった時間の半分が正しい納期である。従って、部下の業務管理は、申請の半分の時間のみ与えよ。と
大変尖ったマネジメント方法をおススメしてたりもします。
しかしなぜ、この会議時間半減運動がすぐに廃されるのか。
それはやはり時短会議では、時間不足に陥るからなんでしょうね。
至極当たり前でひねりもない結論ですよねw
でもパーキンソン氏の生み出したもうひとつ法則に着目すると、
なぜ時間不足に陥るのか、についても解を与えてくれるんです。
パーキンソンの凡俗法則:どうでもいいことに重点を置く
この法則の事例として、「原子炉」と「駐輪場」の設計会議の議論活性度合いについて紹介されます。
その結論は、大変驚きなんですが
「原子炉を新設するような重要度・複雑性の高い会議」よりも
「駐輪場の位置や広さなど重要度・複雑性の低い会議」の方が
議論が圧倒的に活発になるというものです。
どちらが重要な問いか、だれが見ても「原子炉」の設計でしょう。では、なぜそのような不釣り合いな議論状況になるのか、
wikipediaが大変端的にまとめられてたので、偉大な百科事典を引用します。
大変わかりみが深いですねw
特に最後の「自分のアイデアを加えることによって自分の存在を誇示したがるのである」について(自分を含め)思い当たる人が多すぎて辛いです
この結論の最も驚くべきポイントは、
会議題の内容が複雑であることが会議を長引かせているのではなく、
会議出席者の承認欲求のために誰もが理解している内容へ不釣り合いなほど議論が集中する
という点だと思っています。
すなわち、この法則が正しいとしたときに、
例えば皆さんが会議を短くしようと複雑な議題を単純な論点に整理してだれもが理解できるような工夫をしたとしても
それは逆に会議を引き延ばす結果をもたらせることになるという結論に行きつく、パラドックスを感じ取れることではないでしょうか。
じゃあ、どうすればいいの?会議時短したい!
結局、「人間はどうでもよいことについて議論したい生き物である。」
という結論なので、
救いようのない手詰まり感に辟易としてきませんか?僕はここまで書いていて絶望してきましたw
承認欲求のドーパミンの量は、そこらの麻薬の比にならないと聞きました。
よっぽどの出来事が起きないと改善されない気がします。
でも人間は変わることができるんです!!!!そして変わるためには、まず自分の思考特性を理解するところから始める必要があると思っています。
是非本noteをチーム関係者へ配っていただき、みんなでパーキンソンの法則を理解するところから始めましょう!!!
その上で「どうでもよい議題」が盛り上がりすぎたら、ボソっと「パーキンソンの駐輪場のような状況になってますね」と無邪気に発言してくれる人を会議に入れられればより効果的かと思います。
承認欲求を満たしたいことと同じくらい恥をかきたくないのも人間なので。
ここで一番のハードルは誰がこんな失礼な発言をしてくれるのか?という点じゃないでしょうか。
この点については適したサービスがあるのでご紹介してこのnoteの結論に急ぎたいと思います(※案件ではございません)
僕が一時期在籍した100BANCHには「ギャル式ブレスト」なるギャルをファシリテイターとして送り込んでくれる取り組みを推進されているチームがおりました。
外部の人材、特に「失礼な発言をしても、受取り側が許容できる特徴を持つ人材≒ギャル」にその気づきの兆しを授けてもらうのも、自己認識させる重要な一手なのかなと思います。
注意すべきは「発言内容」ではなく「議題」がどうでもいいということ。これらを混在して使わない/受け止めさせないことも大事ですね。
ギャルと入念にその点打ち合わせ、普段からどうでもいいことに発言重ねガチなおじさまが話し出したら、間髪入れずにギャルさまに突っ込んでもらうように仕込んでみるのはいかがでしょう。
結論が大変特異な事例になりましたが、
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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一人でも多くの方に「どうでもいいことを議論しがち」という特性を知る機会が届くようご協力いただければ嬉しいですw
けんたろ
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