見出し画像

仕事のできる人の時間の使い方

 近年では、経営資源には人・モノ・カネ・情報・時間・知的財産の6つがあると言われています。この中で誰もが公平に有しているのは”時間”です。しかし、時間は有限で絶対に蓄えることができません。
 一方、私の知る限り、仕事をしているほとんどの人は「時間がない」と感じています。しかし、「時間がない」と感じている同じ条件の中で、確実に成果をあげる人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか?
 それは、いかに時間を戦略的に使っているか?に尽きると感じます。本稿では、仕事のできる人を「限られた時間の中で期待される成果をあげる人」と定義し、仕事のできる人に近づくための戦略を考える機会を提供します。

 時間浪費社員の4Pとマネジメント

 臨床心理士のスティーブン・バーグラスは、時間浪費社員を4つのタイプに区分しました。そして、それぞれのタイプの頭文字をとって「時間浪費社員の4P」として整理しています。
 そのタイプとは、① 完璧主義者(Perfectionist)、② 先行タイプ(Preemptive)、③ お人好しタイプ(People pleaser)、④ 先送りタイプ(Procrastinator)です。
 ① の完璧を求めるあまりに時間を浪費する完璧主義者や、③ のnoと言えずに過剰に仕事を抱え込むお人好しタイプ、④ の言い訳をしながら後回しにする先送りタイプは安易に状況が理解できます。では、② の「自分の仕事のペースを保つために期限のはるか前に仕事を終える」先行タイプは何が問題なのでしょうか。それは、「自己中心的で周囲と協調できない」という特徴にあります。つまり、自分の仕事のペースを保つことを最優先するために、周囲の人を振り回して時間を搾取する一方、周囲の人の仕事の遅れには協力しない特徴があります。
 さて、上記4つのタイプのうち、読者の皆さんはどのタイプに近いでしょうか?
 スティーブン・バーグラスは、時間浪費社員の4Pに対するマネジメントをそれぞれ以下のように整理しています。ここでは、時間浪費社員に対する上司の視点でのマネジメントについての記載ですが、自身のタイプが判れば、どのような点に留意してセルフマネジメントをすれば改善が期待できるの参考となります。

 仕事ができる人の特徴をつぶやいたTweet

 さて、仕事のできる人に誰もが近づくための戦略的な時間の使い方を考えていた先日、以下のTweetが目に止まり、共感しました。

 なぜ直感的にこのTweetに共感したかを考えてみると、「時間を戦略的に使っている」ということ。そして、そのための手段が、「時間浪費社員の4Pに対するマネジメントをセルフマネジメントしている」結果と考えることができます。
 つまり、机やPCのデスクトップが整理されているというのは、完璧主義者が終了した仕事は目につかないように進捗管理をした結果。できること、できないことを瞬時で判断できるというのは、お人好しタイプが過剰に仕事を抱え込まないように業務量管理をした結果。部下への業務の割り振りが的確で即決というのは、先行タイプが自身の仕事のペースを乱さないために部下を活用した結果と考えることができます。その他、電話対応が短いというのは論理的思考能力の高さ、年上の女性職員の扱いが上手く気に入られているというのは、無駄な衝突を避けるためのステークホルダーマネジメント力の高さと考えることができ、仕事のできる人に求められる要素の一つと考えることができます。
 ステークホルダーマネジメントについては、以下のnoteを参考にしていただけると幸いです。

 自身が仕事のできる人を目指すのはもちろんですが、適切なマネジメントを行うことで周囲の人も仕事のできる人に変えることができるかもしれません。
 しかし、皆が仕事ができる人になった時には、また別の問題が組織には浮上してくることでしょう。それはまた別の機会に・・・。


最後までお読みいただき感謝致します。よろしければ、サポートいただけると嬉しく思います。いただいたサポートは、よりお役に立てる記事を書くための取材費に活用させていただきます。