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作業療法士が体感した作業療法の魅力

対象者の人生の質を豊かにすることを目指す「作業療法」というものがあります。これまで私は作業療法士として、脳卒中などでこれまでの生活や仕事、趣味、遊びが困難となった方に対して、その方の今後の人生を豊かにするためのお手伝いを行なってきました。

日本作業療法士協会の定義では、『作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。』と整理されています。
(出所)日本作業療法士協会<https://www.jaot.or.jp/about/definition/>による(2020.6.9参照)

2020年の春から現在までの約4か月間、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の予防を目的として、世界中で外出や人との接触が制限されました。これにより、テレワークやオンライン授業なども積極化され、お金では買えない「時間」という資源を手に入れた方も少なくないと思います。しかし、その人たちの生活は果たして「ゆたか」になったのでしょうか?私も「時間」という資源を以前より手に入れた1人ですが、ゆたかさからはむしろ遠ざかったような気がしています。

そこで感じたのは、「ゆたかさとは、誰かの役に立つこと」であるということ。人と会うのも外出するのも、家事や仕事、趣味や遊びを行うのも、全ては誰かの役に立つために行なっていたということです。
作業療法士が対象者の方の今後の人生を豊かにするためのお手伝いをする時、「手段」ばかりに目を向けるのではなく、その「目的」を対象者の方と共に考える過程を大切にして欲しいなと思います。

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