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2022年に読んで良かった本5冊+1絵本

ブクログやAmazonの購入履歴を振り返って5冊を挙げてみる。

教育部門: 個別最適な学びと協働的な学び

読んでて一番感動したのがこの本。「個別最適な学びと協働的な学び」とは、学習指導要領とは別に中央教育審議会が出している「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」という資料に由来する。山形県の公立小学校を舞台にした教育改革研究の話。普段は教育に携わっていない立場には新鮮な知見にあふれていた。

生徒を「有能な学び手」として尊重することの徹底が素晴らしく、特に「小数の割り算方法についてクラス全員で納得する」という事例が衝撃的。小学生でこんな事ができるのだから、企業の研修のあり方ももっと主体性を持たせる設計を追求できるのでは?という考えが深まった。

人生設計部門: DIE WITH ZERO

自分が資産運用系の Fintech サービスを運営する会社にいたこともあり、資産形成に関しては世間の平均よりはリテラシーがあると思っていた。しかし DIE WITH ZERO が指摘する「貯めた金の使い方」は考えたことがなかった。単に金額の増減だけでライフ・マネープランニングを行うのではなく、金銭と交換できる「経験」までを踏まえることで、自分もお金との向き合い方が変わったと思う。

小説部門: プロジェクト・ヘイル・メアリー (上・下)

映画化された小説『火星の人』(映画邦題『オデッセイ』) 作者の最新作。普段「小説なんて結論が得られるまでが長くてまどろっこしい」という考え方にわりと賛同している自分が一気に上下巻読みきったという事実だけ伝えておく。面白い。

『火星の人』と同じく「生き抜くために考え続ける」ことと SF 的なシチュエーションの掛け合わせが面白さで、そのスケールが『火星の人』を圧倒的に上回る。それ以上の前提知識は仕入れずに読んでほしい。
映画化が進んでいるとのことだが、中盤〜終盤の衝撃的な展開がどのように映像化されるのか、今から楽しみ。

ちなみに、自分がこの本を知ったのは、『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の「今週面白かったエンタメ」のコーナーだった。

随筆部門: 調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論

もう20年くらいずっと読んでいて、熱い気持ちを取り戻したいときいつも読み返す

『ずるい仕事術』佐久間宣行 (p.226)

この一言で読み始めた本。佐久間宣行に影響され過ぎである。

本当に「身ひとつ」でフランスに渡って、大小様々な屈辱を味わいながらキャリアを築いていく話。チームワークであり職人芸でもあるフランス料理への向き合い方の話など、ひたすら胸が熱くなる。確かにこれは読み返したくなる。

野球部門: 砂まみれの名将

今年はあまり野球本は読まなかったのだけど、面白かったのはこれ。野村克也は阪神の監督を退任したあとに社会人野球のシダックスを3年間にわたって率いるのだけれど、その時代の話はあまり語られていない。このシダックス時代があったからこそ2006年からの東北楽天時代に繋がり、それが田中将大や嶋基宏の時代に繋がる。

知将や名将と称される野村克也だが、投手起用に関しては昭和のロマンやエースの役割に固執してしまうところがあるように思えている (もちろん素人目線だけど)。本書で語られる「人生最大の後悔」もそんな投手起用に関するエピソードだったりする。

絵本部門: スターマン☆ランド~おなかのおおきな王子さま

2歳になった息子とは日々様々な絵本を読んでいる。多くは妻のチョイスで公立の図書館から借りていて、特に気に入ったものを中心に購入して本棚に置くことになる。もちろん『スターマン☆ランド』は発売すぐに購入したのだが、1ページめから横浜のディテールが絵本ながら盛り込まれており、息子はここで京浜東北線カラーの電車を指差して「でんしゃ!」と言う。ストーリーも良い。表紙にもあるご馳走のラインナップも描かれ方も良い。息子の中では絵本に関しても流行り廃りがあるのだが、この本は購入から半年以上経った今でも自ら選んで持ってきてくれる。


トップ画は自室の本棚にあった2冊。他は Kindle だったり貸してたり。

ではそんなところで。


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