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社会を支えるエッセンシャルワーカーたち(ラグビー編)

今日12月3日は、「プロップの日」。
ラグビーの背番号1番2番3番。
スクラムを組む最前列の人たち。

正確にいうと、1番は左プロップ、2番をフッカー、3番は右プロップ
というポジションになる。
2019ワールドカップの日本代表でいうと、

1番 稲垣啓太 笑わない人
2番 堀江翔太 ドレッドヘア
3番 具智元 泣いちゃったいいヤツ

それぞれキャラが立ってる。
だけど、近づきにくいキャラでもある。
身体も、ほかのポジションに比べてキャラが立ってる。
だけど、走ると速かったりする。
だからといって、トライを取ったりしない。
そもそも、トライがとれるような場所にいない。
だいたい、ダンゴ状態の一番下敷きになってたりする。
スクラムでも、相手に接触するのはプロップとフッカーだけ。

スクラムといえば、かつてはよくわからないプレーだった。
なんで「組む」必要があるのか。
くるくる回ったり、べちゃっと崩れたり。
スクラムやる人以外の休憩時間だと思われていた。

でもいまは、注目の的。
スクラムこそがラグビーである。

いい過ぎか。

スクラムで勝つ(相手を押せる)と、
心理的に優位に立てる。
それは選手はもちろん、観ている応援しているファンにとっても。
スクラムに負けてる(相手から押されている)と、
不安で不安でたまらない。
それは選手はもちろん、選手の家族たちにとっても。

だから、プロップたちは、一生懸命トレーニングする。
毎日毎日きびしいトレーニングして、
ときにはほかのチームへの出稽古もして、
上手くいかないと大きな修正もするけど、
ほとんどの場合は微修正。
スクラムを組むときにスタンバイする足の位置を半歩ずらしたり、
味方との身体の寄せ方をちょっときつくしたり。

職人技なのである、スクラムは。
見えてないところでの戦いはすさまじい。

自分のチームにも相手のチームにも与える影響が大きく、
職人技であり、
見えてないところでの戦いであり、
結果は一目瞭然であったり、引き分け状態だったり、
それがスクラムであるから、
プロップたちがスクラムにかける情熱たるや、すさまじい。

プロップには「支える」という意味がある。
スクラムを支え、チームを支える。

新コロになって、支えるものが増えた。

スクラムこそ「3密」である。
密閉、密集、密接である。
スクラムでは飛沫が飛びまくる。
プロップは、相手と仲間の呼気を吸いまくる。

だからプロップは、感染に気をつけている。
チームで一番気をつけている。
ラグビーやっていないときに、一番気をつけている。
一番3密なポジションだから。

自分たちが感染すれば、チームはラグビーができなくなる。
ひとつのチームの感染は、相手チームの感染にも影響し、
ほかのチームの感染にも影響する。
ラグビーシーズンにも影響する。
試合ができなくなるかもしれない、

プロップが大丈夫なら、チームは大丈夫であり、
チームが大丈夫なら、シーズンは大丈夫であり、
つまりプロップたちは、ラグビー界全体を「支えている」のである。
社会全体を支えているといってもいいだろう。

プロップはラグビー界隈のエッセンシャルワーカーである。

プロップ万歳!
今日はプロップの日。