見出し画像

お金持ちでも学歴が高くても幸せになれない

子どものとき、どうにも勉強がキライだった。
家庭教師の大学生によく聞いていた。
なんで高校卒業して大学に入ってまで勉強するのか、と。
そのころ、プロ野球選手になるのが夢だったので、
早く中学終わって、高校で野球ばっかりして、
(野球部ってそんなもんだと思っていた)
広島カープでピッチャーやりたい、
勉強なんてまっぴらごめんだ、と。

その大馬鹿者が、
『100年学習時代 はじめての「学習学」的生き方入門』
を読んで、「その通りだ」とヒザを叩く初老となった。

著者の本間正人さんは、
「最終学歴」に疑問を持つ。

人生100年の時代に、大卒22歳で学び終わりなのか?

人の一生を24時間に例えている。
すると、
15歳(中学卒業=義務教育の終わり)は、朝の3:36。
3時おきのわたしにとっては「朝の」だけど、
普通の人たちにとって3:36は「まだ夜」だろう。
以下、
20歳 4:48
25歳 6:00
30歳 7:12
35歳 8:24
40歳 9:36
45歳 10:48
50歳 12:00
55歳 13:12
60歳 14:24
65歳 15:36
70歳 16:48
75歳 18:00
80歳 19:12

大学を出て大学院を修了する25歳で6:00。
ようやく夜が明ける。

英語の履歴書にも学歴を書くスペースがあるが、
そこには Educational Backgroundだったり、
Educational Historyだったり、
つまり「最終」の意味はない。

そこから、著者の本間さんは、
重きを置くべきなのは「最終学歴」ではなく、
「最新学習歴」にすべきだと提案する。

最後に卒業した学校、ではなく、
一番新しい学んだこと。

そこで大事なことが5つある。
①「最終」ではなく「最新」
②「学歴」ではなく「学習歴」

最新学習歴のことを話すと、
「最新学歴」といい間違える人が高い確率でいる。
学歴とは学校法人から授与されるものであって、
権威的なものである。

③学習者にとっての「最新」

業界最先端のテーマではなく、
たとえば平安時代に書かれた源氏物語を読むとしても、
それは自分にとっての「最新」であるし、

④他者と比べない

自分にとっての「最新」であればそれでいい。

最後の⑤他者からの評価ではなく自分にとっての「記録」
①②のところで「学歴とは」で書いたが、
自分にとっての最新の学習歴は、誰かから与えられるものではない。
それに、他者から評価されなくても大丈夫なもの。

いい大学にいっていい会社に入れば幸せだった時代は確かにあった。
だけど、最終学歴と幸福の相関関係を調べた人がいた。

神戸大学の西村和雄先生と同志社大学の八木匡先生で、
「生活環境と幸福感に関するインターネット調査」(2018年)では、
所得・学歴・自己決定・健康・人間関係
の5つについて幸福感とどう関係あるか調べてみた。

そうすると、幸福感に最も影響したのは所得でも学歴でもなく「健康」。
続いて、人間関係、自己決定、となり、
所得と学歴はそれらを上回った。

(『100年学習時代 はじめての「学習学」的生き方入門』p48)

「健康」って大事だと思いながらも、
自分の身体についてはおろそかにする人は多い。
自分はまだまだ大丈夫だ、と思いこんでいる。

同じように学ぶってことは大事だと思いながらも、
実際に学びをおろそかにしている人も多い。
「勉強」というイメージが強いからだろう。

学ぶ、学習する、と勉強とははっきり違っていて、
勉強というと机に座って、一定の時間拘束され、
強制的な、権威的な、脅迫的なアツがあり、
役に立ちそうなんだけど楽しそうではない。

一方学びとか学習するというのは、
楽しげなものであり、
自分にとって役に立つというよりも意味があるもの、となる。

学ぶ、ってことをもっと気軽にとらえ、
最新学習歴をどんどん更新していける人でありたい。


『100年学習時代 はじめての「学習学」的生き方入門』 本間正人 BOW BOOKS 2024年