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世界ランキングに入ってる優秀スタジアム「ウノスタ」の芝生はぜったいにめくれることはないから、どのチームのスクラムが一番強いか「スクラム日本一選手権」をやろうじゃないか

霧雨のウノスタ(釜石鵜住居復興スタジアム)。
ヤマハvs釜石シーウェイブスの親善試合。
新コロ対策でソーシャルディスタンシングを保つために、
両チームのファンサイトでのみ告知にもかかわらず、
900人の観客がウノスタに集まった。

Youtubeのアーカイブ動画(ライブ配信)には7,900回の再生数。

観客には入り口で体温測定、マスク着用義務のほかに、
応援コール、応援歌は禁止。
拍手だけで応援。

一方で選手たちには制限があるはずもない、
マスクしないフェイスガードしない手を洗わない。
ウォーターブレイクでうがいをしたりしない(普通にするけど)。
スクラムなんてド密、飛沫ばんばん関係ない。
モールもラックも当たり前に激しくやってる。

昨年、ラグビーワールドカップでの釜石の奇跡、
ウルグアイが強豪フィジーにサプライズ勝利したときの熱狂とは正反対、
静寂なスタジアムには、タックルのたびに、
身体と身体のぶつかり合う音が響いている。
重低音で、ビシン、バシン、ゴリッ。

いいプレーには拍手、拍手、拍手。
ウノスタは、若者たちやおっさんたちだけではなく、
子ども連れのファミリーも、おばさんも、おじいさんもおばあさんもいる。
試合観てるおばあさんが普通に、
「放せ、ほら、ボール放せ、あ〜〜〜〜〜」
みたいにつぶやくのがすばらしい。

ヤマハはスクラムを押して押して押しまくる。
スクラム番長長谷川慎に試合前、
「がんばれよ!」
って軽くいったら、
「おまえもな」
って軽く返された。

ヤマハはスクラムを押して押して押しまくる。
シーウェイブスは耐えて耐えて耐えまくる。

しかし後半24分。
シーウェイブス陣でのゴール前スクラム。
ゴールまでの距離は5メートル。
ボールはヤマハのスクラムハーフが持っている。

レフリーのコールで、静かにスクラムが組まれる。
ヤマハのハーフがボールを入れる。
ググッと青いジャージのヤマハの8人が、
赤いジャージのシーウェイブスの8人を押し込む。

ジリっと押す、グッと耐える。
が、やがてグリグリグリグリと青いジャージが押し始めると、
赤いジャージのかたまりは少しずつ後退し、崩壊した。

見事なスクラムトライである。
密である。最初から最後まで密である。

野暮なことをいうが、釜石にもヤマハの地元磐田にも、
陽性反応者も感染者もいない、と聞いている。

わたしのそばにいたキヨさん清宮克幸は、
「こんな普通にラグビーやれて、普通にラグビー観てられる、
って、全国に教えてあげたいね」
と、スクラムトライをみていう。

「そうですね〜」
と気合が抜けた返事をするナオト中村直人。

見れるんです。Youtubeチャンネル「ラグビーのまち釜石」で。
その番組で、タケオミ伊藤剛臣がこんなエピソードを披露した。
「V7戦士プロップの石山次郎さんが『ここの芝で一番強いスクラムが、
ホントに一番強いスクラムだ』っておっしゃったんですよね」

つまりウノスタの芝は、ハイブリッドの天然芝で、
晴れた日はもちろん、雨の日にスクラムを組んでも芝生がめくれることはない。
だから、プロップたちの踏ん張りをしっかりと受け止めてくれる。

タケオミは、
「世界最先端の芝生のウノスタで、
スクラム日本一選手権をやりましょうよ!」

という。

はげしく同意する。
スクラム日本一選手権、やりましょう!

そして、スクラムワールドカップもやれたらいいな〜。
8人制のラグビー。スクラムワールドカップ。