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「問い」をめぐる旅

「問いの立て方の授業をしてください」
という発注がきたので、
お安い御用だ、と引き受けたものの、
「問い、ってなんだっけ?」
というのが自分でも不確かになって、
「問いってなんだっけ?」
を学び直している。

疑問、質問、問い

たとえば、
「問い」と
「疑問」とか「質問」との違い。

「これってホント?」という疑問。
「これわからないから教えて下さい」という質問。
あやしみ、知らない、わからない、から出発している。

「居心地のいい学校ってどんな学校?」というのは、疑問か質問か問いか。
「学校」は知ってるし、どんなところかの疑いもない。
だけど「居心地のいい学校」ってありなの?

「課題」と「問い」

「課題」と「問い」のちがいはどうだろう。

「課題」とは

関係者の間で「解決すべきだ」と前向きに合意された問題のこと

『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』 p58

となれば、「問題」ってなんだっけ?」ということにもなる。

なにかしらの目標があり、それに対して動機づけられているが、到達の方法や道筋がわからない、試みてもうまくいかない状況のこと

『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』p49

たとえば、
・組織としてもっとまとまりが欲しいけど、うまくいかない。
・部下のやる気を引き出したいけど、うまくいかない。
・観光客を増やしたいけど、うまくいかない。

「課題」と「問い」の違い、「問題」と「問い」の違いは、どうなんだろうか。

そもそもなぜ「問い」?

そもそもなぜ「問いを立てる」必要があるのか。

もっとそもそもは、
「問いってなんだっけ?」

『問いのデザイン』は「問い」をこう定義している。

人々が創造的対話を通して認識と関係性を編み直すための媒体

『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』p42

対話をして認識を新しくする、
対話をして関係性と新しくする。

新しくした先には何があるのか。

新たに「わからないこと」「探求したいこと」が生じ、そればまた次の「問い」として、新たな対話の機会を拓いていきます。

『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』p41

ここからしばらく、「問い」をめぐる旅になりそうだ。


『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』 安斎勇樹、塩瀬隆之 学芸出版社 2020年