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犠牲者数にカウントされない死

東日本大震災では、いったい何人の外国人が亡くなったり、行方不明になったんだろうか。

答えは、41人。
1万8400人の犠牲者のなかで、41人は少なくないか?

そしてもうひとつ数字がある。
外国人犠牲者は33人。

41人は厚生労働省の発表。
33人は検察庁のもの。

41人の内訳は、
韓国・朝鮮 15(男8 女7)
中国 16(男6 女10)
フィリピン 4(女4)
米国 1(女1)
その他の国 5(男5)

同じく33人の内訳は、
韓国・朝鮮 13
中国 12
フィリピン 4
米国 2
カナダ 1
パキスタン 1

『涙にも国籍はあるのでしょうか』の著者三浦英之さんは、
どっちの数字が正しいか、復興庁に確認をした。

復興庁は、どちらの数字も正しい、と伝えた。
なぜなら、厚生労働省は各自治体が受け取った死亡届の数で、
検察庁は実際に見つかった遺体の検死などの結果の数。
「復興庁としては、両者の差異は集計元のデータと集計方法が異なることから生じるものと認識している」

つまり、日本はいまだに東日本大震災による外国人の犠牲者数を確定できていない。
なぜこんなに杜撰なのか。
ホントはどういう人たちがどんな暮らしを日本、東北で送っていたのか。
そして、生き残った人たちは、その後の人生が激変する。

ジャーナリストらしく、足を使って情報を集め、つないでいく。
この本、読み始めたら止まらない。
(まだ読み終えてないけど)


『涙にも国籍はあるのでしょうか 津波で亡くなった外国人をたどって』 三浦英之 新潮社 2024年