見出し画像

教え子たちを誇りに思えること

大隈塾のレジェンド、坪井善明先生に久しぶりにお目にかかった。

坪井先生はベトナム政治の専門家で、
2002年に大隈塾が立ち上がったときから、
2016年までお世話になった。

厳しい先生で、東南アジアの地域研究の坪井ゼミは、
朝8時からゼミが始まり、やたらと課題が多く、
プレゼンテーションもディスカッションも回数があり、
けっして近寄ってはいけない、とうわさされていた。
先生自身がパリ大学で学位をとったので、
欧米レベルが当たり前、
それ以上やらないと日本の学生はグローバルで戦えない、
ということをよくおっしゃってた。

そのわりには、大隈塾の授業ではよく居眠りしてた。
最前列、ゲスト講師の真ん前で、
舟をこぎなさる。
それだけはやめて欲しいと、
毎回心のなかでお願いしていた。

でも、こういう人がたまにいるんだけど、
寝てたはずなのに、議論に対するコメントが正鵠を射てて、
ゲスト講師の講義へのコメントがすばらしすぎて、
ゲスト講師も学生たちも、毎回びっくりしていた。
(ときどき大外しすることもあって、ホームランか三振か、ともいえる)

そんな坪井先生に久しぶりにお目にかかって、
久しぶりに聞いたのが、「頭の良さについての丸山真男の7分類」。
出典はどこかわからないけど、
坪井先生はことあるごとに講義コメントでつかっていた。

1 暗記力
2 計算力
つまり、高校大学受験に必要な「頭の良さ」。

3 論理力
4 構想力
これは、論文を書くときに必要な「頭の良さ」。

5 想像力
6 独創性
7 直感力
この3つは、インテリジェンスにかかわってくる。

改めて眺めてみれば、AIに置き換えられる順番で並んでいる。

持論の人間力は、
勇気、タフネス、リーダーシップ、愛、包容力
の5つ。
女性のリーダーって、タフだよなあ。

いまは早稲田大学名誉教授、という肩書で、
ベトナム周りの仕事をしていらっしゃるけど、
コロナで現地に行けないので、開店休業状態だそう。

帰り際、先生へのインタビューが載っている
『インタビューというより、おしゃべり。』
https://www.1101.com/n/s/tsuboi_yoshiharu
をいただいた。

翌朝、さらさら読めて面白いから読んでると、
教員としての話のところで、
インタビュアーの
「教えるってなんですか?」
という問いに対して、坪井先生はこう答えている。

「教え子たちを、誇りに思えること」

これにはササッた。