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プレイヤーたちが集まるというプロセスに、意味がある

「釜石の今と未来を考える座談会」というのに参加した。
ファシリテーターという役をもらって。

釜石の「今」はどんなになっているのか。
復興期は終わった、とはよくいうけど、
終わったのは、途中があるから終わったのであって、
その途中を見なければ「今」は見えてこない。

土木業の青木健一さんは、震災直後から瓦礫の撤去作業の責任者だったが、
「瓦礫というけど、津波が来る前は誰かの財産だった」
ということに気がついた。
瓦礫は家屋であり自動車であり家具であり家電であり。

街を元気にしようと2013年、みんなで夏祭りの「釜石よいさ」を復活させたが、
準備しながら一番困ったことは、やりかたがわからない。
震災前はただ参加して楽しむだけだった。
「オトナたちの話を聞いてなかった」

釜石市街地から山を超えて海側にある根浜地区で地域活性化をしてきた佐々木雄治さんは、
「津浪は憎いが、海は好きだ」
あっちこっちにとっても大きな防潮堤がつくられ、
根浜の近くの鵜住居地区には世界一巨大な河口堰ができたが、
根浜には海と陸を遮るものはつくらなかった。

「今」どこまできて、釜石は「未来」どこへいこうとするのか。

未来を生きるのは子どもたちだ、ということで、
高校生たちには「釜石コンパス」という学びの場をつくり、
釜石で働くオトナたちの話を聞いて自分たちの街のことや仕事のことを考え、
都会で働くオトナたち、大学生たちの話を聞いて、自分の将来の絵を描いてわくわくする。
小学生や中学生たちには、ラグビーを通して、
「品位、規律、情熱、結束、尊重、という『ラグビー5つの価値』を学んでもらいたい」
釜石シーウェイブスの桜庭吉彦さんは、オンラインで参加してくれた。

オトナたちはどうか。
釜石市は、復興プロセスで得た最大の資産を「つながり」と定義して、
・つながり人口(関係人口):観光客以上、移住者未満にかかわりを有する人材・企業
・活動人口:コミュニティ活動・経済活動へ積極的に参加する市民

この2つの人口の掛け算の先に、釜石の「未来」があると、
オープンシティ推進室長の金野尚史さんはいう。

いろんなオトナたちが、これからも活動していく。
その際に大事なのは、
「立場を超えて、プロセスを大事にしながら、合意形成をしていく」
根浜MINDの細江絵梨さんがさらっと重要なことをいった。

大事なのは結果はもちろん、そこにいたるプロセスである。
だから、こうしたいろんな立場の人たちが集うイベントを
1回こっきりに終わらせないために、来年もやりましょう、
と復興庁の方にイベント中にいったら、陰の声で
「まる」
オッケー!ということだったので、
地域づくりのプレイヤーたちが集まって対話するイベントを、来年もやります!