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緊急事態宣言はどうなれば終わりなのか

講談を観にいった。
(聴きにいった、というのかもしれない)

神田伊織という講談師で、
まだ前座。
だけど、チケットを売っているおじさん(たぶん興行主)は、
「伊織はデカくなるよ」
と自信満々にいってた。

あながちそれははずれてないかもしれないと思った。
110ある席は満席。
話ぶりも堂々としてて、朗々としてて、
キャリアは5年もあるが前座とは思えない。

210531緊急事態宣言はどうなれば終わりなのか1

興行のチラシもしっかりつくってある。
「第1回ネタおろし勉強会」
木戸銭1500円、日曜日の午前中、前座のネタおろし勉強会に、
110席が埋まっている。
「第2回11月6日(土)」ともチラシには書いてある。
今回の第1回が成功することは計算済み、ということだ。

110席満席、と書いたが、
前3列は、1個とばし。ソーシャルディスタンスは保ってあるが、
4列目からは普通に詰めて座っている。
だから、ほぼ満席。

それでいいんだと思う。
今月いった新宿末廣亭では、高座にはアクリルボードが立てられていたが、
あれはあれで会場内の換気対策をしっかりしているぞ、
全席ソーシャルディスタンスをとっているぞ、
そのうえで、まったく意味のなさそうな透明の仕切りも置いちゃったぞ、
という末廣亭の「笑い」なんだろう。

一方、今回のなかの芸能小劇場は、換気は会場入口ドアを開けるぐらい、
アクリルボードはない、ソーシャルディスタンスは前3列のみ。

これは、落語と講談の違いで、
街中のちょっとネジの緩んだ人物を面白おかしく描く落語は、
観ているお客さんは噺の途中で何度も大笑いする。
(個人差があります)
ちょっと立派な人物とか武人たちの物語を読んでいく講談は、
聴いているお客さんは話の途中で口を開けたりしない。
(目はつぶるときがあります)

演芸や演劇は小屋を開けてよいことになった。
じゃあ、映画館は?
なんで映画はまだダメなの?

そもそも、緊急事態宣言ってなんなのか。
感染拡大を抑え込むため、っていってるけど、
不要不急の外出はしないでっていってるけど、
テレワーク7割っていってるけど、
政治家はちゃんと街にでて見てるか?
(東京を例にとっています)
誰が外出を自粛してる?

東京の友人たちは、「それでもかなり人混みは減ったよ」というけれど、
岩手県民で釜石市民のわたしからしたら、
岩手県民や釜石市民のほうが、よほど外出自粛をしてる。

直接語りかけないから、メッセージが届いてない。
テレビや新聞を通じてメッセージ出してるつもりだろうけど、
テレビや新聞は見てないし読んでもいないし。
テレビ見ててもドラマとバラエティかもしれないし、
報道番組では政治家のメッセージはフィルターかかって伝わっていく。

政府が市民から信用されてない、というのもある。
市民は「自分は大丈夫」と根拠のない自信を持っていることもある。

でも、いついつまで自粛せよ、という期間を示すのも当然だけど、
どうなれば解禁だ、なぜならば、っていうのをきちんと示さないと、
どうやっても「自分は大丈夫」という言動になる。

そもそも、政府の一人ひとりが「自分は大丈夫」とか思っているんだろう。
オリンピックパラリンピックが始まれば、「きっと盛り上がる」とか根拠なく自信もっているんだろう。

オリンピックもパラリンピックもネット経由か録画で観てて、
テレビの視聴率がすごく低かったらどうする?

ネトフリやアマゾンやYouTubeだけが盛り上がっていたらどうする?

いまの政府を演芸でかけるとすると、講談かな落語かな。