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ないものねだりから、あるもの探しへ

秋田のたそがれ野育園で田植え。
宿泊はシェアビレッジ町村。
ここでこのあたり(五城目町)の郷土料理「だまこ鍋」をつくって食べた。

「だまこ」は炊いたお米をすり鉢で半分だけつぶして、
丸く小さくお団子にしたもの。
お団子にする前の状態を棒に刺したのがきりたんぽで、
お団子にしたのがだまこ。

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きりたんぽは、いったん遠火で焼いて鍋に入れるからひと手間かかるけど、
だまこならすぐに鍋に入れていいので、手軽にできる。

だまこ鍋は30年ぐらい前、ここを皇族が訪れたとき、
ときの町長が「五城目の郷土料理」として振る舞ったことから、
五城目発祥の秋田の郷土料理、というふうにされている。
と、五城目のみなさんは思っているが、
実はそうでもないらしい。
もちろんもっと古くからだまこ鍋はあるんだけど、
「うちが元祖!」と名乗ったことからそうなったんじゃないかな、と。

シェアビレッジの家守のはんちゃんと田植えメンバーのひらくちゃんがいっしょにだまこをつくりながら、それを手伝わずに見ているだけのわたしと3人でそんな話をしていた。

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郷土料理って、そもそもひとつの正統なものがあるわけじゃなく、
それぞれの家庭とか、いろんな地域で少しずつアレンジされて伝わってきたもので、
それそれのつくり方、味のバラエティさが「豊かさ」の証である、
と、民俗研究科の結城登美雄さんから教わったことがある。

「おらが地域はなにもねえ。
観光に来たって、見るものはねえし食べるものもねえ。
生活するったって、コンビニもスーパーもねえ。
ただの不便な田舎だから、
せめて道路通して欲しい、コンビニ持ってきて欲しい。

みんなそんなこというが、みんな家で食べてるだまこ鍋持ってきてくれ。
ってお願いして、公民館に持ってきてもらったのさ。
そしたらみんなが驚いた。

あれ!? お前んちはこんな味付けか、おれんちはこうだ。
あれ!? お前んちはこれ使うか、おれんちはこれだ。

みんな隣近所で長いこと暮らしているのに、
自分たちのこと、ホントは知らなかったのさ。
いっぱいいいものを持っているってことを。

地域おこしは、ないものねだりじゃねえ。
あるもの探しから始まるのさ」

ないものねだりから、あるもの探しへ。
地域おこしの基本の中の基本を、
だまこ鍋で思い出した。

今日の記事がお役に立てればなあと思います
むらさん(村田信之)|釜石と東京の2拠点生活しながら、全国でワーケーションも実践中
岩手県釜石市に移住して2年目!長崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、大学院公共経営研究科修了。田原総一朗スタッフ、早稲田大学客員准教授として「たくましい知性を鍛える」(大隈塾)を20年間担当。立教大学兼任講師、京都芸術大学客員教授なども勤めた。リーダーシップのことならお任せ。