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海の見えるサウナ
つなかんから手紙が来た。
なにかと思ったら、クラファンのお礼状だった。
つなかんが、「海の見えるサウナ」をつくりたい、
とクラウドファンディングを立ち上げた。
東日本大震災後、ボランティア受け入れをきっかけに生まれた民宿「唐桑御殿つなかん」。人気の移動式サウナがあり、リピーターの多い人気の民宿です。しかし、目の前に大きな防潮堤が作られたことで景色は一変。津波をまぬがれた海辺の小屋を「海の見えるサウナ」に作り替え、もう一度海と人がつながる場所を作りたいです。
たしかに、大きな防潮堤ができてから、
つなかんからの眺めが変わった。
目の前は小さな入江だけど、漁船が並んでいて養殖の筏が浮いていて、
このあたりに住む人たちの毎日の営みが感じられる風景だった。
岩手県の久慈から宮城県気仙沼の唐桑に嫁いできて、
漁師のじいちゃんとケンカしながら、
ばあちゃんと助け合いながら、
大好きなとうちゃんと子どもたちといっしょに家庭をつくってきた。
そうした思い出がつまった海の景色は、
同時に、大好きなとうちゃんと娘を奪った海につながるところでもあった。
つなかんのおかみさんの一代さんにとって、
一時期は正視できない、忌まわしい海だった。
だけどそれを乗り越えて、
海が見えるところに、みんなが楽しく集える場所をつくりたい。
それが夢だった。
どんなことがあってもいくつになっても夢を諦めない、夢を追い続けていきたいと心からそう思うようになりました。
黙読会で本を読んでいたら、
イギリスの元首相マーガレット・サッチャーの言葉に出会った。
考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる。
運命は何につながるのか、考えてみる。