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ファーミングコミュニティとラーニングコミュニティ

ものづくりとしての農業は終わった。

秋田に来ている。
わたし自身も岩手に引っ越して東北住民となったので、
これまでの東京ー秋田でのタテ移動から、
岩手ー秋田のヨコ移動になった。
(実際にはヨコにいってタテにいってヨコに)

「たそがれ野育園」を訪ねた。
主宰している菊地晃生さんが、
「ものづくりとしての農業は限界まできた」
と。どういうことか。

たとえば米づくり。
一定面積の中で、どれだけ収量を増やすか、が近代農業の課題だった。
機械化したり化学化したりして、
収穫の量としては最大のそれを確保できるようになった。

最大の収量を確保できたら、最大の収益を得られるようになったか?
得られていない。
逆に、最大の収量を得ながら、収益は減っている場合もある。

ということは、ものづくりとしての近代農業は限界。
ものづくりとしての農業は終わった、というのはこういうこと。
なので、ものづくり以外の農業はこれからも可能性がある。
農業に求められているのはなにか。

と考えた結果、商品価値と同時に体験価値を生み出す農にする。
として、2013年から自給体験ができて子育てにも援用できる
「たそがれ野育園」を始めた。

2020年度は田んぼクラスが30組70人、
キッチンファーム(畑クラス)が25組50人、
総勢120人超の人気コミュニティになっている。

農を体験する。
食を実感する。
気持ちや意識が変化する。
暮らしの質が上がる。

ファーミングコミュニティとしての農。
ラーニングコミュニティとしての大隈塾が、
コロナ状況下で次にチャレンジするのは、
こうしたことだなと、改めて思った。

(写真はたそがれ農育園のページより)