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「教えるとは、希望を語ること。学ぶとは、誠実を胸に刻むこと」

京都芸術大学の校舎のどこかに刻んであったと思う。
詩人アラゴンの詩の一節。
「教えるとは、希望を語ること。学ぶとは、誠実を胸に刻むこと」

それをふっと思い出した。

昨日の大隈塾ゼミは、4人がプレゼンテーションした。
トップバッターのみさとは、「幸せのための自分プロジェクト」。
幸福学の「幸せ4因子」のうちの、
「ありのまま因子」
「やってみよう因子」
のふたつにフォーカスした。

「ありのまま因子」では、自分とは何者か、
何をしたいのか、をじっくり考えた。
それを言語化するために、My noteを書き始めた。

そして、「やってみよう因子」では、
迷ったらやる! ワクワクしたらやる!
と決めて、実践しているという。

次のおのたつは、5年生。
去年思うような就活ができず、就職留年。
この売り手市場になにをやってんだか、
と思っていたが、ナゾが解けた。

プレゼンのテーマは「良いチームのつくりかた」。
法学部のおのたつは、模擬裁判のサークルに所属している。
法学部独特の、たくさんある法律系ガチサークルのひとつ。
ガチサークルだけに、上手くいかないときは負のスパイラルに陥る。
案の定、大会で予選落ちしたときには最悪の状態になった。
それをおのたつ(一人じゃないと思うけど)は、翌年に全国優勝。
見事なV字回復を果たした。

その秘訣は、
モチベーションの低い人の立場で考える。

と、楽しさやどんな学びがあるかが伝わってなかった。
ワクワクできる要素は、人によって違っている。
ということに気がついたおのたつは、
一人ひとりに寄り添い、
その人にあったコミュニケーションをとるようにしてきた。
「すべては目標達成のために」
と。

引っ込み思案のれいなは、「ひとり旅行のすゝめ」。
なぜ出不精なのか、なぜ引っ込みがちなのか。
考えると、「やらない理由」を探している自分に気がついた。

とりあえず、一歩を踏み出すために、
ひとり旅にでた。
旅行なら、楽しいかもしれないし、症状(出不精)克服がわかりやすい。
金沢に行こうと決め、新幹線に乗った。
これがすごく楽しかった。
列車で移動をするという非日常と、
鉄道そのもののヲタ的な魅力。

金沢での宿泊は、ホステルにした。
安いし、観光地の真ん中にあることが多い。
外国人旅行者のほうが多く、
彼ら彼女らは日本に興味を持って旅行に来ているから、
コミュニケーションの障壁が低い。
思い切って声をかけてみると、
気安く応じてくれるし、
日本語が通じることもある。

女子ひとり旅は何かと色メガネで見られがち……
とは限らない。
れいなは、「自分で思ってるより、他人はわたしに無関心」
なことを悟る。

とはいっても、がんがん旅行しているわけではない。
一度やってみて満足度が高かったから、
新コロがおさまったら、また行こうと思っている。

大事な成功体験だ。

1年生のときに大隈塾にいて、
途中で行方知れずになって、
3年生で姿を見せたときの、大隈塾の先輩たちの喜びようは忘れられない。

バスケが好きなけんじょーは、
マイケル・ジョーダンのドキュメント映画、
『THE LAST DANCE』
を引き合いに出して、
卒業までに自分の『THE LAST DANCE』を撮るんだ、と。

就活のための自己分析のように、
いい子に見せようとすることじゃなく、
内面をえぐる、過激なドキュメントを、
焚き火を相手に語るらしい。

門外不出の予定らしいが、
きっと見せてくれるだろう。楽しみだ。

アラゴンの詩、
「教えるとは、希望を語ること。学ぶとは、誠実を胸に刻むこと」

プレゼンター4人から、誠実さを受け取った。
わたしが学生たちに語るときは、
希望が見えるようなことを語らないといけない。