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対話とアイディアを生むファシリテーションのファンブック

講義やミーティングやトークイベントで、
ささささ〜っと、さらさらさらさら〜っと、
にこにこにこ〜、っとイラストにしてくれて、
とってもわかりやすい議事録をつくってくれる。

グラフィック・レコーディング。

トークイベントを聞き終えて、
グラレコと見比べて、ああ、ここ引っかかってなかった、とか、
ああ、ここはちょっと解釈が違ってる、とか、
確認ができたり復習ができたりして、
そしてなによりかわいらしい絵面なので、
なごめて、わかって、記憶に残る。
グラレコって、ホントに重宝する。

グラレコができる人が、少しずつ増えてきて、
グラレコを知っている人も多くなってきた。

なっちゃん(山田夏子さん)にミーティングのグラフィックをお願いすると、
ときどき介入してくる。
「すいません、今んところ、○○って意味ですか?」
とか。
あるいは、なかなか場が盛り上がらなくて発言が止まったときに、
<しーん……>
みたいな絵を描く。
それを見て、「ああ、なんかしゃべんなきゃ」と気が付かされる。

なっちゃんがやってるのはグラフィック・ファシリテーションで、
グラファシはグラレコと似ているけれども、
グラファシはグラレコではない。

グラレコは「記録」や「話の整理」を目的としてるのに対して、
グラファシは「思考の拡散」や「場の活性化」に向いている。
たとえば、
・新しいアイディアを生み出したい
・チームビルディングをしたい
・組織を活性化したい
というときには、グラファシが威力を発揮する。

ファシリテーションだから、場をつくる。
よくあるのは、ミーティングで意見が対立する。
Aという主張と、Bという主張、どっちが正しいか、
ちょいちょい言い争いになる。

しかしそれは、ミーティングの目的と合致しているのか?
そもそもこのミーティングはなんのためにあるのか?
そもそも対立しているココロの中に、どんな感情が芽生えているのか?
その背景には、何があるのか?

対立する相手の感情と、感情の背景にある価値観みたいなもの。
あるいは、自分自身の感情と、感情の背景にある価値観みたいなもの。

またよくあるのは、部下やメンバーが仕事をしない。
目標をたてて、達成を義務にして、叱咤激励しても、
なかなか本気を出してくれない。

そういうとき、あれ?そもそもこの目標って、なんのためにあるんだっけ?
と自問する。
あるいは、仕事をしてくれないメンバーって、なにを求めてここに来ているんだっけ?
と相手のパーパス(目的)について探ってみる。
仕事や会社のパーパスと、メンバーのパーパスが合致したときに、
メンバーは「やらされ仕事」から「やりがい仕事」に変わっていく。

グラファシは、絵を上手に描かなくても、絵が苦手でも大丈夫。
『グラフィックファシリテーションの教科書』は、
普通のファシリテーションの一歩先のファシリを教えてくれる。

安心安全な場づくりという点では、心理的安全性につながり、
自分を理解するという点では、レジリエンスにつながり、
主体性をもって参加するという点では、自己調整型学習につながる。

新学期にむけて新しいチームをつくるときだったので、
たくさんポストイットはりまくって、すごく参考になった。


『グラフィックファシリテーションの教科書』 山田夏子 かんき出版 2021