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ずっとウソだったんだぜ

アーティストの斉藤和義に、『ずっと好きだった』という曲がある。

それを2011年、
『ずっとウソだった』という替え歌を斉藤和義本人がつくって歌った。
東日本大震災で福島第一原子力発電所が爆発を起こしたとき、
「原発は安全だ」といってきた日本政府に対して、
「ずっとウソだったんだぜ」
と、
「やっぱばれてしまったな」
と歌ってバズりまくった。

入管法改正案が国会にかけられている。
関係者はずっとウソついていた。

①入管施設での医療体制は整った、のはウソだった。
2021年3月、スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが
名古屋入管に収容中に病気で亡くなって、
施設での医療体制を改善しようとした。
大阪に1人常勤の医者をおいたが、
その医者が泥酔状態で医療行為をしたことが発覚し、
今年1月から任務を解かれた。
2月にはそのことが報告され、
法務大臣もそれを知っていた。
なにに4月、「常勤を確保」と国会で述べた。

②申請者に難民はいない、とウソをついた。
難民認定に関わっている参与者が、堂々と国会でそういった。

③その参与者は、「1年6ヶ月で500人の対面審査をした」、
とウソをついた。
そしてそのウソは、

④「事前に資料を渡しているので、1年6ヶ月で500人の対面審査は可能」
と斎藤健法務大臣は国会で答弁し、
のちに「可能じゃなくて不可能の言い間違い」
という発言混乱を引き起こした。

「事前に資料を渡しているので」
「1年6ヶ月で500人の対面審査は<不可能>」
とはどういうことか。

これは、やっぱばれてしまった、のであるが、
それだけではすまないことがある。

自分は外国人ではないし、ましてや難民でもないから、
この問題は関係がないし、関心もない。
たしかにそうかもしれない。
だがしかし、これはそうした問題ではない。
日本ではこうやって法律がつくられていく、
ということの問題なのだ。
ずっとウソだったんだけど、そのウソに基づいて法律がつくられる。

さらには、斎藤健という極めて知的で極めてまっとうで極めて人望の厚い政治家ですら、
ばれてしまったウソをつきとおさなければ許されないのが、
日本の行政であり立法である、ということだ。