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釜石で南アフリカ代表に勝った

またしても釜石の奇跡?

釜石鵜住居復興スタジアム(ウノスタ)で、
サクラフィフティーン(ラグビー女子日本代表)が南アフリカ代表に、
15ー6で勝った。

女子のテストマッチ(正式な国際試合)が日本で行われるのは5年ぶり。
しかも、初戦がウノスタで。
泣ける〜〜〜。

スクラムがめっちゃ強かった

この試合、泣けたりトリハダたつシーンが3つあった。

ひとつ。南アフリカ代表の選手たち。
ナショナルアンセム(国歌斉唱)のときの清々しい表情。
右手を胸に当て、歌っている姿が美しく、微笑みさえ浮かべていた。
ああ、これからテストマッチだなあ、とトリハダ。

ふたつめ。
ゲーム開始3分ごろの最初のスクラム。

勝っちゃった。
体格では圧倒的に負けている日本のフォワードが、スクラムで押し勝った。
フロントロー(スクラム組む最前列の3人。左プロップ、フッカー、右プロップ。わたしにいわせれば「プロップ」で一括するポジション。ここを説明すると今回のnoteの趣旨とは外れていくから、ここはこのくらいにしておく)
フロントローの合計体重は、日本の229kgに対して、南アフリカ258kg。
30kgも差がある。
この差がいかに大きいかは、フォワード全体の体重を見ればよくわかる。
8人合計で日本は617kg、南アフリカは640kg、差が縮まっている。
小柄な選手たちが、大きな選手たちに挑んでいった。
泣ける〜〜〜。

スクラムの強さが、ゲーム全体に安定感を生んでいた。

なぜスクラムが安定感を生むのか

というのは3つ目。
南アフリカの選手たちは、デカい、速い、高い、長い。
背が高く手足も長いので、ラインアウトでは圧倒的に有利だ。
さらに、俊足で体重のあるランナーが数名いて、
その選手たちにボールを集める。
タックルが甘かったら、どんどん前に進んでいく。
止めるのはとても困難だ。

これが世界レベルのすごさ、なんだろう。

だけど、サクラフィフティーンもちゃんと研究してて、
ランナーには、2人3人がかりで倒していく。
1人が相手の太ももあたりにタックルし、
間をおかず、あるいは同時に2人めがお腹にドンっと入る。
2人めにかぶさるように3人めがタックルして、相手のボールを奪いにいく。
これもスクラムと同じ、
小さい選手たちが大きな選手たちに挑んでいってる。
それと、失敗してもスクラムでやり直せばうまくいく、
というセイフティネットがあった。
泣ける〜〜〜。

ラグビーはすでにジェンダーフリー

さらに、4つめ(3つじゃなかった)。
確度の高いウワサだが、
今回のテストマッチは4試合ある。
釜石と熊谷で対南アフリカ戦。
静岡と東京で対アイルランド戦。

「最初の試合はぜったいに釜石で!」
という声があがったらしい。
ありがたいことだ。

釜石では2度も合宿にきてもらっている。
ウノスタとサブグラウンドでトレーニングし、
そばのビーチの掃除などのアクティビティで市民との交流もあった。
ホタテをはじめ、地元の海のものも堪能してもらった。
なにより、ウノスタの物語とウノスタの風景とウノスタの能力を
こよなく愛してくれている、とのこと。

最後に、5つめ(3つでは足りなかった)。
解説の村上晃一さんが、最初から最後まで
「サクラフィフティーン」
と呼んでいたこと。
女子代表ではなく、サクラフィフティーン。

愛を込めてそう呼ぶのと同時に、
女子日本代表の知名度を上げるために。

サクラフィフティーンは、
5月にフィジー代表に28-14で勝っている。
同じく5月、オーストラリア代表にも12-10で勝っている。
そして昨日、南アフリカ代表に勝ち、
8月のアイルランド代表戦を経て、
10月にはラグビーワールドカップ2021ニュージーランド大会に出場する。

サクラフィフティーンを知ってくれている人は、そんなに多くないかもしれない。
知名度をどんどん上げていきましょう、と。

ちなみに、RWC2021は女子の大会だけれども、
どこにもwomenという言葉は入っていない。
ラグビーワールドカップは、男子も女子も、
「ラグビーワールドカップ」で統一されている。