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保守、グローバル、田原総一朗

田原総一朗さんと電話で話をした。
おもしろいねぇ、
今日の朝日新聞と日経新聞は正反対のことをいってる。

と。
朝日は佐伯啓思さんの、日経はユヴァル・ノア・ハラリさんの寄稿文を載せている。
佐伯啓思さんは保守の論客、
ユヴァル・ノア・ハラリさんは『サピエンス全史』を書いたイスラエルの歴史家。

佐伯さんは、グローバル資本主義がコロナ惨禍を招き、
ユヴァル・ノア・ハラリさんは、グローバルに結束することが最大のコロナ対策だ、
と主張している。

だけどね、
と田原さんは続ける。
根っこはいっしょなのよ。
以下、田原さんの話の要約。

佐伯さんは、現代文明は
・グローバル資本主義
・デモクラシー
・情報技術
で成り立っていて、
今回は、グローバリズムが、
ヒト、モノ、カネ、情報、だけではなく、
ウィルスも運んだ。

みんながいいたいことをいいあうデモクラシーと情報技術が、
政治をドタバタ劇にし、
テレビやネットでドタバタ劇をいっしょになって拡散した。
それがいまに至る。

もとより不確実性の世の中では、
先の予想はできないから、
想定外のことが起こりっぱなしである。
そういう状態で有効なのは、
たとえば、「常識」であり「良識」のはずだ。
それがここ10年20年、なくなっていたのに気がつく。
グローバリズムが脆いものだというのにも気がつく。
なぜなら、どんだけグローバルに展開しても、
もっと豊かに、もっと富を手にしたいとがんばっても、
たった1%しかGDPは成長しない。
常識と良識をとりもどさないといけない。

というのが佐伯さんの考え。
一方ユヴァル・ノア・ハラリさんは、
いま現在、わたしたちは二つの選択を迫られている。
「全体主義的な監視」か「市民の検眼強化」か。
そして、
「国家主義的な孤立」か「世界の結束」か。

中国は、徹底した科学技術による監視と強制によって、
コロナを封じ込めることに成功しつつある。
緊急措置だ、いまだけだ、というが、
緊急措置は永続することを、イスラエル人は知っている。
一方、台湾、韓国、シンガポールは、
政府が情報と知識を公開し共有することによって、
市民は政府を信頼し、それぞれ自分たちで考えて対処した。

こうした信頼と共有を、
グローバルに進めるべきだ。
たとえば、どの対策を取ろうか迷っている英国は、
韓国に学ぶということをしたらいい。
ほかにも、各国が情報と知識、智恵をシェアしあう。

孤立は危機を長引かせ、
結束はさらなる危機にも勝利するだろう。

ということで、
2人に共通するのは、
いまは大事なのは、良識や信頼だ、
っていうカンタンなことだね。

ぼくが大隈塾でいい続けてきたことは、
自分のアタマで考えて、自分で行動しろ、
ということ。
どういうふうに生きるか、
ということ。
正解を探すんじゃなくて、答えをつくっていく、
ということ。
佐伯さんは、

もっと豊かに、もっと富を手に入れたい、
と10年20年頑張って、
たった1%のGDPの成長か、
おれたちはいったい何をしてきたのか。

と嘆いていたけど、
きみはどう思う?