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【ヨロン島】人が来れば来るほどきれいになる

【ゆんぬんちゅ<ヨロンの人>② E-Yoron 池田龍介さん】

Uターンしてゴミ拾い


海のゴミをアップサイクルする活動をしている。
コースター、キーホルダー、そしてカップかと思ったら、植木鉢。
ちょっとしたところにもちょっとした緑を。
さすが、自然と人間の共生、使い捨てない暮らしをしている人だ。

リョウスケさんは、大学を卒業して長野の自然体験NPOに就職。
2014年にふるさとヨロン島にUターンしてきた。

翌日から、ビーチのゴミ拾いを始めた。
ヨロン島は周囲23kmにおよそ60のビーチが点在している。
(ちなみにヨロンマラソンはハーフが島1周、フルがその往復)

ヨロンブルーと呼ばれているきれいな青い海、
サンゴが白化して砕けた砂のビーチは真っ白。
そして、そこには……。
漂着ゴミが毎日打ち上げられる。

ゴミを拾っているリュウスケさんのことを聞き、
同級生たちがすぐに集まり、いっしょにゴミ拾い。
「美ら海プロジェクト365」と名付け、
活動は口コミで島中に広がり、地元の人たち、観光客たちが加わり、
年間3000人以上が参加する大イベントになった。

イベントじゃなくて普段のことに

リョウスケさんは、「ちょっと違う」と思った。
毎日のことなんだけど、
「何時にどこに集まってゴミ拾いをしましょう」
というイベントではなく、
みんなが見かけたゴミを拾うことを「習慣」にしたい、と思っていた。

Uターンして3年間、毎日毎日拾い続けていたが、
みんなで集まることをやめた。
そのかわり、与論町とかけあって、「拾い箱」を設置してもらった。
ゴミ箱ではなく、いつでも誰でも拾ったものを入れる「拾い箱」。
町も協力してくれ、10箇所に「拾い箱」をつくった。

「海をきれいにするのは誰かに任せる、
んじゃなくて、
自分ごとにしてほしい。
その気持が、いろんなところに広がるといいなと思ってます」

いまでは「拾い箱」は、12都道府県に51箇所、設置されるようになった。

ただし、ヨロン島の「拾い箱」がいつもある「常設」なのに対し、
ほかの地域の「拾い箱」は仮設。
海ごみゼロウィークなど、キャンペーン時の期間限定のもの。

まだまだの感があるが、
逆にいえば、ヨロン島はそれだけ本気で海ごみゼロに取り組んでいるともいえる。

来れば来るほどきれいになる


リョウスケさんは、自分とヨロン島の「挑戦する」を広めるために、
「ムラ留学」を主催していた。
空き家をリノベーションして、ムラ留学の学生たちに住居を提供していた。
コロナで中止やむなしだったが、
自分の会社E-Yoronのインターンとして迎え入れるようになった。
有機農業で野菜をつくっている、
エコツアーガイドもしている、
海ゴミのアップサイクルをしている、
それらをいっしょになってやっている。

年間10〜20人、大学生たちがヨロン島でエコな活動をする。
人が来れば来るほど、ヨロン島はきれいになる。
その中心に、リョウスケさんがいる。

thanks to 池田龍介さん(一般社団法人E-Yoron)