成都学院

ポスドクの解決方法にも

博士の学位を持っていながら、
安定した職が得られない、満足な収入が得られない、
いわゆる「ポスドク」の問題。

大学全体の講義の半分程度を非常勤講師が担当している。
首都圏非常勤講師組合のアンケートによると、
69%が年収200万円未満、89%が300万円未満だ。
(朝日新聞2019年4月18日)

四川旅行学院大学の国際部の先生が
「博士号をもった日本人が、やっと一人就任してくれた。
教員のレベルアップをしたいし、
いっしょにカリキュラムもつくっていきたい」
と。
ちょうどその日の朝日新聞でポスドクの記事を読んでいたので、
ふと、
「ポスドクの人たちは中国で教職を得たらどう?」
と思った。

四川省のいくつかの大学、専門学校を回っただけだが、
設備のレベルはかなり高いと思う。
とくに、四川旅行学院は、
ホテルサービス部門はヒルトンホテルと組んで10年になるし、
調理部門では、微生物学の研究から調味料を開発したり、
最新機器の使い方から、応用しての商品開発、
たとえば、味の素のクックドゥみたいな合わせ調味料も開発している。

研究開発には、国や政府だけでなく、
企業からの連携がかなりあり、
設備と資金では、日本にいるよりよほど条件が良いんじゃないかと思った。

メーカーが大学と連携することによって進むのは、
こうした研究と開発だけではなく、
器具の使い方に習熟することによって
学生たちに即戦力をつけさせている。
最新から旧来から基本的なものまで、
あらゆる調理道具に習熟することで、
就職してからのOJTにかかる時間をなくす。
専門性を高めた大学。

こうした大学にポスドクの人たちがどんどん入っていけば、
彼ら彼女らから教わる中国の学生たちは、
日本のことをもっと理解してくれるようになるんじゃないか。
教員による影響力は、かなりある。
少しずつでも、時を重ねれば、
結果はそうとう大きく変わるだろう。