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カエルとりに夢中な子どもたちからコミュニティの真髄を学ぶ

昨日は、田んぼの草取りイベントだった。

田んぼに足を突っ込み、腰をかがめ。
手を「がおー」の形にして、苗の周りを引っ掻き回す。
指先にブチブチブチと、糸が切れていく感覚がする。

雑草の根をぶっちぎっている。
と同時に、苗の根っこもちょっと切っている。

苗の根っこを切っちゃダメじゃん、と思うけどそうではなくて、
根っこを切られた苗は「やばい!」という生存本能が働き、
より強く根っこを張って生き延びようとする。
その結果、生育がよくなって、雨風にも強くなる。
……と若いころ、鴨川自然王国の長老さんたちから聞いて学んだ。

手をがおーにして、バシャバシャバシャバシャかき回す。
目の前の苗、そのとなり、またそのとなり、またまたそのとなり。
目の前の苗のあっち側のとなり、またそのとなり、またまたそのとなり。
一歩前進。ぬめ〜〜〜とした足の裏の感触。

手をがおーにして、を繰り返す。
そのうち無心な状態になる。
ハイな状態、ゾーンな状態、集中した状態になる。
脳みそで考えたり感じたりするのではなく、
全身を使っての知覚活動、という状態。

手をがおーにして草取りをする

そんな崇高な作業をしているそばで、
「カエルつかまえた」
という声。

今回の田んぼイベントは少人数ながら、
家族での参加が大半で、
1歳、3歳、5歳、8歳、10歳が8人。
もちろん1歳の子たちは親といっしょだが、
3歳以上は、田んぼに慣れてくるとランダムに歩き回る。
水遊び、泥遊び、カエルを探して捕まえる。

「カエルつかまえた」
ちっ。無視してても何度も声かけられる。
ハイな状態、ゾーンな状態、フローな状態でありたいのに、
「カエルつかまえた」
って、わかったから。いいから。おじさん、カエル興味ないし!

でもそこはオトナ。
「おお〜、いいね〜」
わたしは、ホメて育てるタイプでもある。

腰を上げて見回せば、
3歳、5歳、8歳、10歳がいっしょに遊んでいる。
公園や家の近くの遊び場では親から離れられない子も、
今日はパパから手を離して、お兄ちゃんたちと遊んでいる。

わたしが子どものころ、そうだった。
学校が終わると、2つ上の兄、その上の近所のお兄ちゃん、
年下の子たちが、神社に集まって野球やったりコマ回しやったり。
いっしょに遊んだものだった。

いまでも年齢を超えて遊ぶことってあるんだ、と懐かしく感じた。

でも、コミュニティって本来そういうものではないのか。
年齢や住んでるところや育ち方がいろいろある異質性と、
ひとっくくりすれば「子ども」という同質性。
異質と同質が混在していて、コミュニティが成り立っている。

異質を排除しがちな世の中。
排除するときは、独りよがりなレッテルを貼って排除する。
右だ左だ、よそものだ外人だ。
特に外人は不法に住み込んで悪さするに違いない。
早く出ていかせることが大事だとかなんだとか。

田んぼにいる子どもたちを見ていて、
こころが洗われるような気持ちになった。
もっともっとカエルをとっていいよ、
という寛容な心持ちになった。


大隈塾コミュニティ アウトドアイベント
田んぼの草取り&「つくって食べようハーブ料理」・テントサウナ


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