松下政経塾

松下幸之助と田原総一朗

松下幸之助は、部下育成やチーム運営の要諦を
「任せて任さず」
といっていたそうだ。

権限を手放して、仕事を任せる、ものの
①見極める
その人(一人ひとり)の能力、意欲、
そして任せる仕事の量を見極めること。

②決断する
誰に任せるのか、いつ任せるのか、
なにを、どこまで任せるのかを決断すること。

③フォローする
なんの問題もないときにも、意識的にコミュニケーションをとって、
いまどこにいるのか(現状)、
どこに行こうとしているのか(目標)、
そしてその人のいまの気持ち、やる気、
モチベーションを確認すること。

この三つをきっちり実行すること、
これが「任さず」らしい。

任せて任さず。
そういえば、田原総一朗さんのスタッフをしていたとき、
田原さんからしょっちゅう電話がかかってきた。
「もしもし〜〜、たはらです〜」
から始まり、
「どうですか〜?」
と続く。
これがなかなかの難問だった。
<昨日も一緒に仕事したじゃないか、どうもこうもあるか!>
と思いつつも、
<いやいや、一歩でも仕事を先に進めたか?ということだろう>
と焦るときもあるし、
焦らないように仕事を進める殊勝なときもあったし、
「これこれこういうことを調べてきます」
と目標設定をするときもあった。

振り返ってみれば、
これは「任せて任さず」の③ではないか!

当時は困るな〜という思いがあったが、
なんという思い違いだったのか、
自らの不明を恥じる。

ということは、③はその目的に気づかせないと、
「うざっ!」
と思われかねない(思ってたわけじゃないですよ、田原さん)。

松下幸之助さんと田原総一朗さん。
任せて任さず。
奥が深い。