子育てママたちの体験からの課題発見(議会4日目)
昨日、議会で一般質問をした。
内容は、子育てと新設する大学校について。
質問のために、子育てママさんたちの集まりで話を聞かせてもらった。
産後ケア事業をしているNPOの代表、
産後ドゥーラやベビーシッターをやっている方、
釜石市の子ども課、健康推進課、
各生活応援センターの所長さんたち、
サンフィッシュのにもヒアリングできた。
みなさんに感謝すると同時に、
引き続き課題を解決するために努力していきたい。
今回はその原稿。
=================
村田信之です。
今回も第六次釜石市総合計画に沿って、内容は、子育て施策が中心となります。
六次計画の推進において、重点施策がかかげてあります。
それは、少子化対策、移住定住の推進、です。
そこにはこう書いてあります。
「出会い・結婚・出産・子育ての各ステージに応じた切れ目のない支援策を講じて、少子化に歯止めをかけるとともに、市民が暮らしやすく、将来にわたって暮らし続けたいと思えるまちづくりと、移住希望者のニーズに的確に応えられる体制を整備します。あわせて、高等教育機関等と連携した若者の定着に向けた取り組みを推進します。
そこでお伺いします。
重点施策の少子化対策、つまり子どもを産み育てるための予算はいくらで、
釜石市全体の予算の中のどのくらいの割合を占めているのですか。
今回、子育て施策について一般質問するために、
いくつかの子育てママさんたちグループにヒアリングしました。
そこで、お母さんたちの体験に基づいた課題が見えてきました。
まずは妊産婦健康診査等アクセス支援助成金、いわゆる「アクセス支援金」についてお伺いします。
令和3年10月に県立釜石病院が普通分娩を休止しました。それ以降、釜石市内では子どもを出産することができません。出産は、釜石市以外の病院でしなければならなくなりました。そこで市は、アクセス支援金として交通費や宿泊費を5万円を上限に支給するようになりました。
この「アクセス支援金」をつかってのタクシーの利用、出産のための宿泊などの利用件数はどのくらいありますか。
わたしが聞く限り、アクセス支援金は、おおむね好評です。
31週目までは県立釜石病院で検診して、32週以降は大船渡の病院だったり、宮古の病院にいかなければならない。そこで、例えば県立釜石病院のすぐ近くの野田から、タクシーを使って、大船渡病院へ行った場合、およそ40分、12,000円かかります。往復で24,000円です。
アクセス支援金をつかってタクシーで大船渡病院へ行き、検診を受けたお母さんは、とても助かったといっていました。
しかし、大船渡病院へは一週間に一回、検診に行かなければいけません。タクシーを使った通院を2回おこなえば、支援金の上限、50,000円に達します。
タイミングよく出産できるといいですが、そうでなければ、けっこうな額を負担しなければなりません。
アクセス支援金を増額することはできないでしょうか。
あるいは、令和4年9月の議会で、先輩議員が「子育てタクシー」について質問しました。市外への通院を不安に思う妊婦さんや、その家族の声を聞いて、すでにほかの地域で実施されている「子育てタクシー」のようなサービスや制度を利用することはできないか、という内容です。
答弁では、「地域でできる協力体制などを整理した上で、岩手県タクシー協会釜石支部と可能性について協議していく」、ということでした。これは協議をしたのか、協議をした結果どうだったのかを教えてください。
以上、アクセス支援金については、六次計画の第2章<生活環境>にあたります。
この第2章の重点施策は、「市民の日常生活における移動実態・ニーズの変化に対応しながら、持続可能な交通体系の構築」にあります。
路線バスや鉄道などの公共交通機関を前提とした施策かもしれませんが、妊婦さんたちが病院に通うことに関しても安心していられるように、持続可能な交通を用意しませんか?
釜石市で生まれる子どもの数は100人前後です。この100人は、わずか100人ではありますが、釜石にとっては希望の100人です。
希望の数が少なくならないように、早い時期に実現を目指したいと思います。
つぎに、産後ケア事業についてお伺いします。
産後ケア事業は、助産師さんなどの専門職が中心となって、子どもを産んで1年未満のお母さんに対して、たとえばベッドに横になって睡眠をとってもらい、心も身体も休めるようにしたり、母乳の相談や育児の相談、いろんな悩みを聞いたりしています。
この制度は、鵜住居の医療センターで民間委託して行われている「まんまるぎゅっと」が月に1回、10時から15時までの5時間、料金は500円で行われています。
また、県立釜石病院では月曜日から金曜日まで毎日、10時から16時までの6時間で、料金は640円です。
しかし、鵜住居での産後ケア事業は、月に一回で、その一回に5組しか受け入れられない、という制限があります。
また、県立釜石病院でも、1日1組だけです。それでも月金で受け入れということであれば、一週間5組、ひと月が4週間とすれば、合計20組の母子を受け入れる計算ではあります。しかし、実際には助産師さんが不足していて、毎日受け入れられているわけではなく、一週間でひと組かふた組、一ヶ月でも8組ぐらいしか受け入れられていない、と聞いています。
こうした事情の改善点、さらには「まんまるぎゅっと」や産後ドゥーラなども含めて、民間の産後ケア事業の充実、県立釜石病院のような公設で常設の産後ケア事業の充実は、どうお考えでしょうか。
産後ケア事業の実施については、母子健康法の改正によって、令和3年から市町村の努力義務となっています。子ども・子育て支援法には定められていませんが、こども家庭庁は子ども・子育て支援法に定める「地域子ども・子育て支援事業」として位置づけようとしています。
釜石市の独自事業としてスタートした「アクセス支援金」のように、釜石市として素早く、そして困っている子育てお母さんたち、お父さんたち、子育て中の家族に寄り添った改善策を求めますが、いかがでしょうか。
つぎに、こどもの遊び場についてお伺いをします。
こどもたちの遊び場として、釜石市内には90か所の公園、広場があります。また、たとえば根浜の海岸とキャンプ場を使ったり、甲子川を使ったり、自然体験をしながらいろんな遊び、学びができるのは、釜石らしい、釜石独自の子育てだといえます。
また、公園や広場だけではなく、子育て支援センターも5か所もあって、とても充実しています。
ただし、上中島こどもえん「タンタンひろば」以外、甲子、中妻、釜石、鵜住居、平田の子育て支援センターは幼稚園、保育園との併設です。子どもを産んだばかりのお母さんが、ぱっといって入り込むのはむずかしいし、幼稚園が長期休暇になったら使えません。
しかも平日だけ、未就学児だけです。これをなんとか規制緩和して欲しい。
そして今の時期、お母さんたちだけでなく、お父さんたちも求めているのは、屋根がある、室内での暖かい遊び場です。
子育て支援センターがもっと使えるようにして欲しいし、生活応援センターの管轄である公民館を使わせて欲しい。特に公民館を使うことは、高齢者のみなさんといっしょに、地域で子どもたちを育てることにもつながっていきます。ぜひ、公民館の子育てへの活用をお願いしたいです。
「ホッとカード」についてもお伺いをします。
「ホッとカード」は子どもの一時預かりなどで利用できるカードで、30,000円まで利用できます。これは釜石で子育て中のママさんたちからお話をうかがうと、「ホッとカード」はとても評価が高いです。
ただし、申請制になっています。市役所や生活応援センターまで足を運んで、申込用紙に記入して提出。すぐに発行されるわけではなく、しばらく時間をおいてから、発行されます。
発行の準備が整うと、市の担当部署は申請した家庭に対して電話で連絡をし、連絡を受けた家庭は、市役所まで取りにいかなければならない。
お母さんが小さな赤ちゃんを連れて移動する負担を考えると、これは使い勝手が悪いです。申請制であることの理由はなんでしょうか。
所得制限がないのであれば、母子手帳といっしょに「ホッとカード」を渡してはいかがでしょうか。
もっと使い勝手がいいように、改善することはできませんでしょうか。
以上、妊娠出産、小さい子どもたちの子育てについて伺いました。
これは
六次計画のまちづくりの基本理念:一人ひとりの幸せの実現
計画の推進:重点施策:少子化対策、出会い・結婚・出産・子育ての各ステージに応じた切れ目なのない支援策
にあたります。
さらに、
第1章<保健福祉>
・安心して子育てができる体制の充実
・地域の中で豊かに子育てができる環境づくりの推進
・釜石版地域包括ケアシステムの充実
・支え合う地域共生社会の実現
にもつながっていきますので、希望が持てる答弁をお願いいたします。
最後に、
釜石市国際外国語大学校についても質問します。
来年4月から開校、まず日本人学生40人でスタートすると聞いていますが、
現在のところ、釜石市国際外国語大学校への入学予定者、希望者はどのくらいでしょうか。
来年の春には40名の学生と、教員と職員が釜石駅周辺に昼間人口としてあらわれます。
当然お昼ごはんを食べるはずですが、こうした人たちのランチの需要予測はどう立てていますか?秋には、さらに40人、再来年はさらに80人増えます。
シープラザやサンフィッシュの飲食店、ホテルのレストランへの導線をつくったり、お弁当を食べる場所に鈴子広場を使ってもらったり、シープラザのフリースペースをリフォームしたりなど、釜石市国際外国語大学校への具体的な協力体制があれば教えてください。
以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。