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異言語空間への招待状

昨日は東京から釜石に帰ってきてそのまんま、
みんなでワイワイやりながら謎を解いていく体験型エンターテイメント「謎解きゲーム」に参加してきた。
普通の謎解きゲームとはちょっと違うのは、
ワイワイやるんだけど、ワイワイする声は出てない。
手話だったり身振りだったり筆談だったり。

「異言語空間への招待状」

この世には、たくさんの
言語が存在する。
自分の使っていない言語を
異言語という。
異言語空間への招待状は、
新たな世界の扉を変える鍵となっている。
貴方の手元にある招待状は、
どんな世界へ繋がっているのだろう……。

「異言語空間への招待状」チラシより

4人でグループをつくって、
出題された謎(異言語空間への招待状)を解いていく。
制限時間の60分が、あっという間だった。

どんなゲームかというと、
「ネタバレ厳禁です、SNSとかnoteとか書くときに注意してください」
と、やさしく、まるでわたしのために発したような主催者からのリマインド。
そういわれると、ギリギリのところを攻めてみたい気がする。

主催釜石市/協力一般社団法人異言語Labo

最初に、あか、あお、きいろ、◯とか▢とか△とかの簡単な手話を学ぶ。
「いきなりいろいろ覚えられるか!」
と短期記憶に自信がなくなってきたわたしは不安になった。
でもゲーム中に繰り返して見たり使ったりしていると、
自然と覚えてくる。
手話、というかまだまだ「動作」レベルだけど。

4人で考えて謎を解いていく。
実際には、手話や身振りを使った出題に、
ときどきひそひそ話で相談しながらゲームを進めていくんだけど、
その謎が解けたときの爽快感、たまらない。

クロージングで、異言語Labo代表の菊永ふみさんは、
「いまの世の中、聞こえる人と聞こえない人との分断があります。
そこを乗り越えて、いっしょに交流していきたい。
わたしたちは『聞こえる人』の気持ちがわかりたい」
といった。

そういえば、
「聞こえない人」の助けになりたい、
とは思ったことはあるが、
「聞こえない人の気持ち」がわかりたい、とは考えたことがなかった。

「知りたい、から、伝え合う、ことが大事だと思います。
またどこかで、コミュニケーションしましょう」

コミュニケーションは、気持ちを伝え合うこと。
たしかにそうだ。

釜石には「釜石市手話言語条例」がある。
2021年6月25日、岩手県で一番最初に制定された。
(2番めはまだない)

「この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき」
「ろう者とろう者以外の者が共生することのできる地域社会を実現することを目的とする」
という第1条から始まる。

共生する地域社会を実現する。
そのために条例では、市の責務(第4条)、市民の役割(第5条)、事業者の役割(第6条)が定められている。

手話は文化だ、とも書いてある。


一般社団法人異言語Labo