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学びの危険と安全の損益分岐点

人の背中を押す、ってのはそういうことか、
と目の前がパーッと開けたような気持ちがした。

「世界が仕事場」という授業を担当なさっている高野孝子先生と、
90分のトークライブをやった。

「これからの“豊かな”生き方(稼ぎ・暮らし・学び)について
〜コロナ禍を経験した私たちが大事にする価値観とは何か〜」

「世界が仕事場」の学生と卒業生との企画だった。

「世界が仕事場(セカシゴ)」は高野先生自身が冒険家で、
授業は学生たちが主体的に運営する、ゲスト講師が登壇する、
ダイアログを重視する、課外活動が盛ん、ということで、
大隈塾との親和性が高く、
セカシゴと大隈塾の両方を履修する学生たちも少なくない。

今回はセカシゴの活動の中にわたしが入っていったカタチになったが、
アウェイ感なくすーっといけたのは、
やっぱりその場で呼吸する感覚が似ているからなんだろう、
そういうことなんだろうな、と思った。

高野先生は新潟と東京の二拠点生活、
わたしも岩手と東京の二拠点生活。

両方の授業をとっている学生ダッツー(あだ名)の体験。
授業のあとの懇親会で、
「最近農業に興味出てきたんです」
とつぶやいた。
先生は、
「じゃあ、こことこことここ、どこがいい?」
農家を作物や特徴によって3軒、選択肢を示す。
「え???」
ダッツー。
でも、選ばざるを得ない雰囲気で、ある農家を選んだ。
後日、ドキドキはしながらもワクワクしてその農家にいった。
おじいさん、一人暮らしだった。

……という体験談で、どうやらセカシゴの学生は、
こうしたびっくりするような体験をそれぞれでしているらしい。

冒険家だからおそらく、学生たちには気が付かないように
セーフティネットはちゃんとしいてあるんだろう。
こうすればああなる、というパターンも経験則で知っているんだろう。
だから、いっけんワイルドのようでいて、
それはサファリパークのワイルドさ。
それは危険と安全の損益分岐点みたいなところを担保している。

学生たちの背中って、こういうふうに押すんだ、
ということを学んだ。