JR東海高島屋

デパートで学ぶ、大学生の「伝える」力

先日、トヨタを訪問したあとに、
高島屋を訪ねた。
前回名古屋へ来たときに紹介してもらった
総合企画部の日高圭さんに会うために。

日高さんは社外活動が活発で、
NPOやボランティア団体、サークルなどを
多いときには一晩で3件、顔を出す、と。

この日は、総務部の佐田恵美さんにも同席してもらった。
佐田さんも日高さんと同じく、社外でもアクディブで、
かつてはお二人とも人事部にいて、
社内研修も担当していたそうだ。

コミュニケーションと「伝える」ことの重要さに改めて気づいた。

「伝える」は、デパートの社員にとっては仕事そのもので、
デパートは商品をつくっているわけではなく、
職人、生産者、業者がつくった商品を、
顧客とつなぐ役割で、
その商品の魅力などを「伝える」ことで
顧客に商品を買ってもらう。

これは、大隈塾のSAたちにとっても大切なこと。
大隈塾は毎回、「集客」をしなければいけない。
大学の正式な授業だし、早稲田大学内でも意識が高い学生たちが集まっている。
にしても、有名なゲスト講師や興味のある分野のゲスト講師には出席するけど、
そうじゃないときは欠席、という受講生もいる。
ゲスト講師のいない回は、特に出席率が落ちる。
そういう受講生たちの出席モチベーションが上がるように、
授業の終わりに「次回予告」をしたり、
LINEグループでも「宣伝」したりする。

以前なら、学ぶ意欲のない学生は放っておけ、
大学生なんだから自主性自律性を身に着けないといけない、
という理屈がまかり通っていた。
今でも間違いではないだろうが、
教育とは学びの場をつくることである、
とすれば、欠席者が多いと出席者のモチベーションは下がる。
ホントならもっとたくさん受講生がいるのに、
教室がスカスカ。
誰だってモチベーション上がらないし、
「なんでわたしだけ勉強しなければいけないの?」
という、倒錯した感情にもなる。

もうひとつ。
学生アシスタント(Student Assistant)と
SAをサポートする学生スタッフ(Student Staff)が準備した講義とワークだ。
一緒に学んで欲しいし、
悩んだり迷ったりしながら、話し合いながら精一杯つくったコンテンツだ。
ほめるにしろけなすにしろ、フィードバックが欲しい、
次の授業のために、自分の成長のために。

だから、ゲスト講師と講義内容の素晴らしさを、受講生たちに伝えるのが、
SAとSSの重要な役割になる。

「素晴らしい授業だから出席しましょう」
ぐらいでは樹個性は動かない。
「素晴らしい靴ですから買いましょう」
くらいではモノが売れないのと同じ。

欠席が多いと単位落としますよ、的なことでアナウンスしても、
そもそも単位がいらない学生(非算入、という登録の仕方がある)、
そもそも履修登録すらしてない学生(モグリ、いまでは「ゲスト」といっている)、
にはまったく響かない、刺さらない。

だからといって、言葉を尽くせばいいというものでもない、
興味薄い人たちに長く説明しても、耳を閉ざしてしまう。
15秒で、受講生たちのハートをぐっとつかむ。
これも言語化だ。

SAとSSは、CMプランナーみたいなものでもある。
デパートの売り場の社員みたいなものでもある。