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サッカーファンは幸せになれない?期待で成り立つスポーツ

「サッカーファンは幸せになれない。」
負けると、この研究結果を思い出す。2018年の発表だが、衝撃的でよく覚えている。

調査結果によると、敗北した際にサポーターが心に負う痛みは、勝利の喜びの2倍以上だという。勝つと平均3.9ポイント上がる幸福度が、負けると7.8ポイントも下がるそうだ。

個人的にも、すごく分かる。試合内容やチーム状況にもよるが、負けた後の憤りや喪失感はとても大きい。
どこの国のサポーターも同じように落胆するのだと知ると、少し気持ちが救われる。

一方で、もう少し読み進めてみると、負けて下がる幸福度は単に、試合前の期待値分を失っているだけなのかもしれないと思うようになった。
というのも、キックオフ前のスタジアムでは、幸福度が7.9ポイントも上がるというのだ。

つまり、試合前には勝利を期待し幸福感が上乗せされていて、
勝てば期待どおりで上り幅は小さいが、負けると期待の上乗せ分が失われ落胆が大きいというわけだ。
試合前のわくわくと勝利への期待によって上昇していた幸福感が、負ければ0になり、勝てばプラスになるのではないか。

記事を読んだだけで適切な解釈ではないかもしれないが、個人の感覚ではこの持論に納得している。

負けても、何も失ってはいない。
「サッカーファンは幸せになれない」なんてことはない。


期待で成り立つプロスポーツ

人間が、期待に基づき考え行動することは株や投資行動からも明白だが、スポーツも「期待」で成り立つものだろう。

そして、キックオフ前に幸福度が飛躍的に上がるという研究結果から、試合前のサポーターが期待しチームの勝利を信じてやまないのだと読み取れる。

だからこそ、常に信じ続けるはずのサポーターがチームを信じられなくなったとき、期待を持てなくなってしまったときが、最も苦しいときだろう。

負けが込むと、期待と落胆、信頼と失望を繰り返し、精神的に疲弊し、期待することそのものを止めてしまう。
傷付くことを恐れ、心を守ろうとする。


他人に期待をするな、とよく言うが、サポーターがチームに期待しなくなったら、それはもうチームの終わりだと私は思う。
その「期待」とは、試合自体の勝敗はもちろん、サポーター目線でチームとして今後の成長を見込めるのか、将来のビジョンを見据えているのかなども含む。

期待を持てないチームに未来はない。

何を信じるのか

何に期待し、何を信じるのか、それは、人によって異なるだろう。

想像でしかないが、選手もクラブも何に期待し何を信じるべきか、迷いもがき苦しんでいるのかもしれない。


その中で、わたしが信じるのは、一つだけ。

その結果、大きく落胆することもあるかもしれないが、その選択をしたのは私自身だから後悔はないだろう。
信じるからこそ悪いときは苦しい、いいときは幸せ、それらをすべて享受する。

楽観視だとかそういう話ではなく、現状の分析や戦術のことなどは分からないから分かる人に任せるとして、わたしはわたしで信じるだけ。要求するべきこともない。ただそれだけだ。


これからも私は一つの試合で一喜一憂するだろう。
だとしても、キックオフ前に勝利を期待するのをやめることはできないと思う。

それならば、わたしはこれからも期待し続ける
そして、クラブの選ぶ道を信じ続けるのみだ。

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