2〜3歳、ヴァイオリンに出会うまで
その頃、家では私もクラシック音楽についての本を読んだり、DVD、CDを次々と購入し、気に入った物はかけっぱなしにしていました。そうすると息子はテレビやCDプレーヤーの前にじっと座り、結構長い時間聴いていました。そのうちに自分でCDプレーヤーのボタンを押したり開閉したりするようになり、CDは傷付き使用不能となり、気に入って何度も出し入れした物は何度も買い替えることになりました。写真は3回買い替えたCDです。その頃はここに収録されているヴァイオリン協奏曲の数々を息子が小学生で弾くことになるなんて、予想もできないことでした。後から分かった事ですが、音楽を聴いていたというより、デジタル数字が次々と変わっていくのが面白くて観察していたとのことでした。それでも、何年も後になってもその時のメロディを覚えていたのには驚きました。
未就学児用の(クラシック)コンサートも、できる限り聴きに行きました。私も音楽のことは何も知らなかったのでいろいろと新鮮で、こういう生活を一緒に楽しんでいたという感じです。
常にピアノをどこで習わせたらよいか悩みながらも、コンサートに行くといつも目立っているのはオーケストラの弦楽器、ヴァイオリン。「あれって、子供も習えるの?」
自分が子供の頃、ヴァイオリンを習っている人なんて誰もいなかったし、ヴァイオリン教室なんて聞いたこともなかったです。周りでもそんな話なんて全然聞かない。ネットで調べてみると、どうやら3歳位から習えるらしい。ピアノと同じようにお教室があって、先生が個人レッスンで教えてくれるそうな。高そうなイメージのあったヴァイオリンだけど、安い物は5万円位でも買える。子供の場合は、体の成長に合わせて大人になるまでに最多で7回位買い替えるとしても、35万円。ピアノを買うより安くない!?それに、ピアノだと置き場所や防音のことも考えなければならないけれど、ヴァイオリンなら何とかなりそう!?
最大の懸案事項は「難しそう」ということ。幼児がヴァイオリンを顎に挟んでじっと立つ、それ位は出来たとしても、ピアノのように目に見える鍵盤もないのにどうやって音を出すのか、和音はどうするのか、全く分からない。そもそも親は全く教えられないのだから、家でも復習もできないのでは?
自分がピアノを習ったことがあるから分かるけれど、楽器は家で復習しなければ弾けるようにならない。自分の親は「練習は自分でするもの」と思い込んでいて、一度も隣に付いて練習に付き添ってくれたことはなかったです。その上「練習しないなら辞めさせる」と言われていたので、いつも一人で練習していました。しかし子供が一人で練習しているとツメが甘いし、抜けだらけになってしまって、ちゃんと弾けるようにならない。私の場合は、引越しという理由もあったけれど、結局ツメが甘くてちゃんと弾くことが出来なかったので、続けられなかったのだと思います。大人になるまで続けられなかったのは本当に残念でしたし、後悔もしているので、息子にはそんなふうになってもらいたくない。だから楽器を習うのなら、自立するまではずっと私が伴走する覚悟でいました。
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